TはTOKYOのTのブログ

映画ログを中心にしております。映画館での鑑賞が中心です。旧作より新作が過半数を超えるのが方針としてます。

2023年10月鑑賞映画

#ミトヤマネ
下北沢K2
平日夜でしたが、そもそもこの駅ビル自体が静かだった。「VIDEOPHOVIA」とテーマが繋がっているが、より深くなっているというか浅くなる方向を目指したのか。というのも、妙に表層的であることにこの監督はこだわっているようだ。筒井真理子との会話で姉妹の位置が変わっていたり、車のCGの謎などや不思議だ。ミトヤマネの実存や成長に迫らないのも不思議な手触りだ。この映画のなかで妙に浮いているが説得力のある街頭演説のおじさんの戸田昌宏が不思議だ。プラカードに「テロリズムを許すな」などミトヤマネと直接関係のない主張が書かれているのも不気味で観客の心を乱す。マネージャーの稲葉友山本圭を思い出させる佇まいが不気味でもある。なのに、別に悪意のある人間とも思えない。似ているアプローチは「ある男」でも見掛けたが「ある男」は何がアイデンティティかを問うのに対して、本作は何がオリジナルかという抽象的なテーマ設定になっている。TOHOシネマズで上映されたので、勝負作のはずだが残念ながらTOHOでは2週間で終了してしまったので、興行としては苦しいようだ。宮崎大祐監督は映画誌・文芸誌など論壇や批評からサポートしてもらっている印象があったが、TOHOシネマズで上映されるようになれば批評のサポートがなくても劇場に呼べるようにならなければならない。やっぱり大きい上映スケールって難しいんだなと思えてくる。音楽やライブシーンにvalkneeが使われているのだが、音楽好きやvalkneeリスナーなどが反応しているようでもない。

BAD LANDS バッドランズ
TOHOシネマズ川崎
原田眞人は1949年生まれなので、現在74歳ぐらいだがこの年齢の映画監督をこれで調べると大河原孝夫高橋伴明などだがその年齢でこんな大作を毎年発表するなんてエネルギッシュだ。安藤サクラ、山田涼介の姉弟関西反社映画。山田涼介は、「燃えよ剣」で演技の良さをちゃんと分かっていたが、改めて観るとティモシー・シャラメと共通しているようにみえる。安藤サクラも今作で疲れていて更にリラックスしているのが良い。ラストで走り去るところなんて、鳥肌が立った。この映画を観ていて気付いたけれど、スティーヴン・ソダーバーグ原田眞人の編集センス似ているような気がしてきた。どっちも好きな映画の趣味も似ているような気もする。

アイズワイドシャット
bunkamura
新しくなった文化村は初めて。それこそ大学生の時にDVDで観て好きだったが、今回ちゃんと劇場で観た。乱交パーティーぐらいならカントリークラブやヨットクラブでもやってそうだなとも思う。それにしたって、モテない男が魅力的な女性と結婚してしまってそこにヤキモキする話は大好きだ。昔観た時は、こんなにはっきり身代わりがわかる話じゃなかったような気がしていたが、こんなにはっきり折り返す話だったか。

君の名は第一部
神保町シアター
中島歩と佐田啓二はやっぱりどこか似ている。岸恵子がチャン・タオと似ていることも気付けた。淡島千景が煽りまくるのが楽しくて仕方ない。浜口のジェントルな態度に感心していたが、結婚すると世間の目線を気にしてばかりのつまらない人間になってしまう。正直、別れ際で妊娠がわかってどうすればいいか困ることなんて人生でもよく聞く。

 
君の名は第二部
佐田啓二が北海道でアイヌ民族の女性とのロマンスがあったりするが、自死は悲しい。裁判沙汰になってきたし、第三部が楽しみだが、都合がつかずまた今度にしよう。
 

花咲く港
神保町シアター
DVD視聴だったけれど、ちゃんと劇場で観れた。東野栄次郎演じる林田がどう考えてまともだけれど、笠智衆演じる恐らく元軍人が「お前日本人か?」と吠えだすのが恐ろしい。

マルセル・マルソー沈黙のアート
イメージフォーラム
パントマイムの知識がないけれど、そこそこ良い伝記ドキュメンタリー。鋭さとかはないけれど、マルセル・マルソーを好きな人は楽しめる。観客もダンサーやパフォーマンスっぽい人が多い印象。

RR
イメージフォーラム
ジェームズ・ベニングは名前しか知らず。特に広がりを感じたりはしなかった。これを観ると、シャンタル・アケルマン「家からの手紙」、足立正生「略称連続射殺魔」などは楽しめる作品であると感じる。とにかく電車が来て遠くに行く。それもカメラ位置をもっと面白おかしくしても良さそうなのにそんなにバリエーションも多くない。そういった技巧やアイデアも封じ込めてしまう。もっとベニングの映画を観てみようと思っていたが流石に難しい。

アナログ
109シネマズ川崎
タカハタ秀太の前作「鳩の撃退法」で編集の不思議さなどに惹かれて鑑賞。今回も短い間でのジャンプカットをしていた。二宮の朝食、居酒屋、海辺などでやってくれる。波瑠の姉と短い間に会うからか、真っ正面からのショット(小津っぽい)があるなどやっぱり不思議だ。先日大庭版「君の名は」を観たせいか、メロドラマとしてのすれ違いに意識が行く。未亡人なんて、弱いなと思っていると病気メロドラマに移行する。20世紀型すれ違いから21世紀型難病へ。桐谷やハマケンなどのサイドの演技も心地よい。リリー・フランキーのマスターは「余命十年」をちょっと引きずってるよう。

沈黙の艦隊
TOHOシネマズ川崎
吉野耕平監督の作品はメジャー以降の3作品すべて見ているが、作品規模もホップステップジャンプのジャンプのこの作品でこのクオリティは素晴らしい。原作は概要をなんとなく知っている程度だが、珍しい極右映画を大作で作るとなると尚更気になる。会社の先輩に「最近観た映画でおすすめは?」と聞いたら、大沢たかおの真似して後ろに手を組ながらこのタイトルを推薦してくれた。週間ランキングで3位なので、もう少し入って欲しいだろうが、映像の語り口が粋なのが良い。大沢たかおの演技がとにかく面白おかしい。しばらく物真似したい。ねっとりして偉そうなでなんとも言えない魅力がある。大仰で誇大妄想も含むキャラクターなのだが、それが作品にしっかりとはまっている。プロデューサーも務めているので、力を込めているのだろう。

北極百貨店のコンシェルジュさん
チネチッタ川崎
鹿島茂の百貨店の歴史本読んでそうだな。私は読んだことがありません。全体として、20世紀の豊かさを擁護する態度がイマドキじゃなく珍しい。管理職が男性なのも保守的だ。更に書くと女性のお辞儀フェチって間違いなくあるな。それと実店舗型ビジネスのエリート主義的側面を隠さないのも誠実に思える。終盤で前の観客の女性がだいぶ泣いていた。

キリエの歌
109シネマズ川崎
ピエンランドセルを背負ってる若い女性客が居た。大学生の時CHARAの映画観たぐらいしか岩井俊二の映画体験はなく、今の40歳~50歳ぐらいにシンパが多い印象で、すごいんだろうと思いつつ、近づくタイミングを逃してきた。音楽で日本映画としては、目黒シネマで鑑賞した塩田明彦の「さよならくちびる」「麻希の世界」を思い出すが、あちらはプロを出さなかったが、この映画では冒頭と間にストリートミュージシャンの師匠的存在として七尾旅人が登場する。ショーとしてではなく軽いウォーミングアップと主人公とのセッションなのだがそれだけでグッと映画全体が締まる。プロの使い方が良い。「はじまりのうた」のマルーン5アダムみたいに本当のミュージシャンの凄さを分からしてくれるのが良い。松村の登場シーンで彼と声が妙に奥まっていたり音作りも不思議。前半30分は音楽がずっと鳴っているのがうるさく感じたが、徐々におとなしくなっていった。松浦裕也に一番の芝居場が用意されているなんて思いもしなかった。あのタイミングで立たないなんて。アイナ・ジ・エンドがずっと喋ってたらキツかったようにも思えるので喋れない設定で良かったかもしれない。どこか爽やかな後味で気持ち良かった。全体としてテレンス・マリックの「ソング・トゥ・ソング」と撮影、編集、テーマが近い。それと広瀬すずの母親がスナックの客に学費を出させていたけれど、このエピソードは小室圭から取ってきたのかな?聞いた当時から、尊敬できるエピソードだったがやはりすごい。


화사한 그녀Miss Fortne詐欺女王
Broadway cinemas 公館百老匯影城
詳細は別途


ブラックベリーBlackBerry
飛行機

詳細は別途

逃げられた夢

飛行機
詳細は別途
浮草物語
国立映画アーカイブ
小津映画の特徴、原則としてよくあげられる、雨がない、階段の不在が破られる。妾ジャンル映画。撮影が茂原英雄なので、いわゆる小津っぽさは少ないが坂本武と三井弘次の釣りシンクロが「父ありき」にも引き継がれる。いくら役者がまともな商売じゃないからといっても嫁、息子を置いておき、ちゃんと嫁がいるなんて、どんだけ自分勝手なんだ。

戸田家の兄妹
国立映画アーカイブ
主人が死んでから崩壊していく上流階級。佐部利信が天津から帰ってきてからの覚醒っぷりが面白い。でも転勤や出向をした人が戻ってきて、仕事がめっちゃできるようになるのは見かけるのであながちない話ではない。桑野通子が高峰三枝子に職業婦人として働くのはあまり簡単でないのをピシャリと言うがその一発で甘い人ではないとすぐわかるのも気持ち良い。



大学は出たけれど
国立映画アーカイブ
断片のみ。水商売関係で仕事をしていることを知りショックを受ける男性というのは、小津にとって重要なテーマなのか。

東京の女
国立映画アーカイブ
弟のために姉が身を売っていることを弟が知り、自殺をしてしまう。小津が自殺を描くのは意外だと思った。大山健二が新聞記者役で出ている。
春画先生
109シネマズ川崎

塩田明彦の演技をちゃんとさせるのは目黒シネマで過去作を観てわかったけれど、今回みたいに春画を通したセックスコメディだとそれが裏目に出てしまっているように思える。ストーリー面での若い女にうんちく垂れて口説いて、音採って男で回すのが気持ち悪く見えてしまう。うんちく垂れる男って性的魅力が貧しいようのが世の常だと思うがどうだろう。

白鍵と黒鍵の間に
109シネマズ川崎

音楽を志す若者を描いた作品はそんなに珍しくもないが、クラブやキャバレーなどの水商売の一環としての音楽を描くのはあんまり多くないように思える。昔の映画ならたまにあったと思うけれど。例:中村登「鏡の中の裸像」。そのドライさと諦観が他の音楽映画に見かける音楽の暑苦しさを回避できている。森田剛演じるムショから出てきたヤクザが誰にもまともに相手にされない物悲しさも良い。以前、多摩映画祭の喫煙所で声を掛けたことがあるが、今でも引き続き良い映画を撮っている。なんというか以前より地肩が強くなったというか、落ち着いたけれどしっかり落とし込むパワーが身についているような気もする。


KIMIサイバートラップ
アマプラ
「マジックマイク」が楽しかったので、観てみた。B級テイストでちゃんと楽しませてくれる。11月に観た「ザ・キラー」との共通の向かいのビルを覗き込む描写がある。(元ネタのヒッチコックは未観)

アマプラ
 
アマプラ
 
日本映画
新作8本
旧作6本
ソフト1本
計15本
 
海外映画
新作2本
旧作2本
ソフト4本
計8本
 
合計23本