TはTOKYOのTのブログ

映画ログを中心にしております。映画館での鑑賞が中心です。旧作より新作が過半数を超えるのが方針としてます。

2024年3月鑑賞映画

ARGYLLE アーガイル
109シネマズ川崎
劇場から出てくるときに男が「色付きガス面白いけど、さすがに飽きた」と言っていたけれど、それもわかる。ちょっともうこの監督の「キングスマン」路線はもういいかな。


ゴールド・ボーイ
ヒューマントラストシネマ渋谷
最後がドリーズームで終わるのが良い。演技も主演全員良い。黒木華は手堅過ぎるような気もする。

すべての夜を思いだす
ユーロスペース
清原惟さんは海外映画祭やアート映画として評価が高いらしくよく名前を聞くが私の鑑賞は今回が初めて。それも多摩ニュータウンを舞台にしたと聞けば期待が上がる。「熱のあとに」の山本英もそうだけれど東京藝大出身者が多すぎる。映画を撮り続けるのと映画を教えるのは、前者の方が難しいのではないか。更に書くと年収は後者の方が高そうだ。ロケは永山、若葉台あたりかな。親しい空気感はわかるが、恋人の死をぼかしつつ空気で進んで行くのは杉田協士も比較したくなる。ダンスシーンでラップが流れるがそのラッパーがMETEORっぽくて、そう来るかと勝手に感心していたがエンドロールを観ると違うらしい。「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」と同じく音楽はジョンのサン。


ヴェルクマイスター・ハーモニー
イメージフォーラム
扇動者の到来からの行進が強烈。他の映画でもなかなか勝てないぐらい緊張感から暴動が素晴らしい。最後のなんでもないクジラの姿を観て、がっかりしてしまう。タル・ベーラは群衆を撮るのが一番巧いかもしれない。

カラオケ行こ!
Tジョイプリンス品川
少年が可愛い。この緩い関係性がBLとして楽しいの。映画としてもウェルメイドで、中学生周りなんて特に素晴らしい。後聖人演じる和田は、将来が楽しみだ。仕事できそうだし。

52ヘルツのクジラ
Tジョイプリンス品川
志尊淳の髭が不自然と思ってたら、そういうことか。全体の演技が大きすぎてクドく見えてしまった。志尊淳が死んでしまうのは、動機が薄いように思えてしまったが、それも生きている人の傲慢さかもしれない。

PERFECT DAYS
Tジョイプリンス品川
たまたまクラブで話した人が批判をしていて避けていたが、観る決心がついた。この映画の平山のような生活を半分ぐらいは成立させてしまっている。そのため、平山の家族なしで金の掛からない、そして人間関係の負担があまり掛からない趣味を楽しんでいるのなんて憧れる必要もない。そもそももっと私は衛生的に汚く、言動も下品だ。下品版平山のようなもんだ。人を徹底的に避けているつもりはないし、意識的にコミットしようとしているが、こんな風になってしまっているかもしれない。外国人が喜ぶ日本や大資本にとって使い勝手の良い労働者とかそんなところではなく、彼の人との距離間に自らを省みる必要があり刺激されてしまった。多分ヴェンダースは本当に平山の生活を尊いと思っている。もっと世俗的に生きなければ。

からたち日記
神保町シアター
芸者いじめに逢いながらも力強く生きていく女性の物語。古臭く見えてしまった。

愛情の系譜
神保町シアター

デューン砂の惑星PART2
109シネマズ川崎
前作でも母との距離が近いが、今作も近い。あんな女性の陰謀を張り巡らしたりなんて日本でもありそうだなと思える。

燃える平原児
シネマヴェーラ
蓮實重彦の実物を観れた。でもそこまで自分は信者じゃないことを確認した。

ペナルティループ
kino cinemaみなとみらい
前作の荒木伸二「人数の町」がとても良かったので、鑑賞。前作もジャンル映画というかゲーム性を映画に落とし込むのがうまかったので、この二本目はうなずける。しかし、前回よりただのジャンル映画からアートへの踏み込んでいく力が弱い。中途半端に乗せてくれないジャンル映画になってしまったような。映像、音はいいのだから、シナリオをもうちょっと補強してほしい。

πパイ
kino cinemaみなとみらい
音楽が時代を感じる。主人公の髪型がグッド。

四月になれば彼女は
TOHOシネマズ川崎
「余命十年」がウェルメイドで良かったので、同じ今村圭佑が撮影監督で期待した。絶景は良いが、ストーリーが雑に見えてしまった。佐藤健は全然、長澤まさみのことを気に掛けてない。そこに愛想つかしてなんで、元カノのところに行くんだろう。男のロマンと言われればそれまでだが、捨てた男に対する評価がいつのまにかラストで修正されている。

日本
新作7本
旧作2本
計8本

海外
新作2本
旧作3本

計5本

合計13本

 

2024年2月鑑賞映画

やっさもっさ
神保町シアター
やっぱ渋谷実外れなし。おがわえいじの昨日の回想の編集が不思議だ。戦争でどこか人生の歩みが狂ってしまった人は多いのかな。

ガンダムSEED freedom 
Tジョイプリンス品川
ガンダムに少し前から興味を持って、このシリーズはメロドラマであるという文言を見掛けて俄然行きたくなった。確かにメロドラマで三角関係や拒絶からの逆恨みなどが気持ちいい。それとアニメではそんなに珍しい表現ではないのかもしれないけれど、好意を感じたり、運命を感じた時に背景が宇宙っぽくなるのがすごい気持ちいい。軍事作戦と愛の逆恨みが平行するなんて凄い作品だ。涙が無重力で浮くのも美しい。口が小さくて、目が大きくて、王子風の髪型が自分の友達に似ていて、このシリーズがもしかしたら好きなのかもしれない。
どこを取っても性愛が原動力になっている作品は、最近だと「福田村事件」を思い出すが、こちらの作品の方が性的興奮・嫉妬と人物の動きの連動がスムーズに思える。映画で歯が浮くような言動をする人物を観れるのは気持ちいい。実写映画でメロドラマに挑戦した作品は最近どれぐらいあるかな。そんなことを思いながらネットを観てたら、宇野常寛の以下の記事を見つけた。古参ファンからしても、この性がモチベーションの作劇なのか。

熱のあとに
kinoシネマ
今年ベストに間違いなく入ってくる作品。変化球メロドラマ。ガンダムSEED freedomが性愛で動くドラマならこちらはなんだ。橋本愛が自分のことを説明する能力が高く、そのせいもあってどうすればいい。年齢高い人が観ても面白いはずだが、ホストを刺したというショッキングなストーリーから引かれてしまうか。ショッキングなドラマを期待するとそれはそれで期待はずれかもしれない。ホストを刺した日本映画はこれが初めてではない。
もう一回観たが、暗い全体の照明がたまらない。ススキの女性二人の告白のシーンの画面も美しい。太賀が膝から崩れ落ちるシーンのキターという高揚も最高だ。二回目には、金で相手してもらった男について愛を語るのが幼稚に思えてしまったが、脚本としてちゃんとウェルメイドなのも素晴らしい。


夜明けのすべて
TOHOシネマズ川崎
三宅唱の作品は追いかけているがさっぱりしているのがいつも気持ち良い。本作では上白石萌音が特に気持ち良い。日本の中小企業として割とリアル。よくも悪くも小さい企業だとわがままができる。そのしわ寄せが誰かに行ったりはするけれど。光石研、足立智光、内田慈など脇役をかなり手堅く固めている印象。


ストップ・メイキング・センス
チネチッタ川崎


罪と悪
池袋シネマロサ


ノスタルジア

その男、凶暴につき

ファースト・カウ

きのう生まれたわけじゃない

愛にイナズマ

吸血鬼

恋人までの距離

神の道化師、フランチェスカ

レオノールの脳内ヒプナゴジア

ボーはおそれている

マダム・ウェブ

落下の解剖学

日本
新作7本
旧作1本
計8本

海外
新作5本
旧作5本

計13本

2023年映画ベスト(日本編)

1.BAD LANDS バッド・ランズ

2.Winny

3.ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい

4.恋のいばら

5.#ミトヤマネ

6.白鍵と黒鍵の間に

7.スイート・マイホーム

8.MY (K)NIGHT マイ・ナイト

9.こんにちは、母さん

10.沈黙の艦隊

 

日本次点:キリエのうた、世界は僕らに気づかない、交換ウソ日記、リボルバー・リリー

①序盤の受渡での複数人物が同時に動くシーンの緊張感が素晴らしい。原田眞人は70代にして毎年面白い映画を作れる。②クールな撮り方、演出が素晴らしい。こんなしっかりした骨太な映画を商業2作目の監督が撮れるのは頼もしい。③優しさも単に自らの防衛なのではという問いが素晴らしい。撮影編集のヌケが良い。④回想トリック
撮影がハマった面白おかしい。⑤前作からテーマの「オリジナル」について深堀
されていた。⑥冨永昌敬氏も中堅になってアバンギャルドというよりリラックスした空気が心地よい。⑦斎藤工が意外にも渋いホラー映画を作れるなんて。⑧中川龍太郎は生真面目すぎると思っていたがアイドル映画のチャラさが最高にハマっていた。⑨クドカンのあえて下手な芝居が面白い。撮影としても山田洋次はクセがあるが言語化できない。⑩大沢の妙にぶった喋り方がかわいい。吉野耕平はこの先20年ぐらい商業映画を任されそう。

 

2024年1月鑑賞映画

アンブッシュ
Tジョイプリンス品川
泥臭い戦争映画。80点は取ってるけど、あまり記憶に残らない。

ウィッシュ
TOHOシネマズ日比谷
福山雅治の歌はアレでいいのか。だいぶキツく感じた。主人公の祖父の願望がよく分からない。人前で音楽演奏するなんて、誰だってやっても良いし、かといって聞いてもらえるとも思わないので、とても矮小な欲望なのでピンとこない。


鬼太郎誕生ゲゲゲの謎
TOHOシネマズ川崎
思ったより硬派な映画だった。あのエグいおっさんはミツカンを思い出してしまう。

映画窓際のトットちゃん
TOHOシネマズ川崎
全体に二十四の瞳を意識してるようなクラシック感。

風と共に散りぬ
国立映画アーカイブ
ニコラス・レイはいろんな本で良く評価されてるし、この映画のメロドラマっぷりも素晴らしいが、中村登吉村公三郎の方がもっと上手いよと勝手に比べてしまう。

あの花が咲く丘で、君とまた会えたら
TOHOシネマズ川崎
特攻隊はシャブ入りチョコレートを食わされていたという説もありますが、この映画ではまともな精神状態で特攻に行く。そんなにめちゃくちゃ悪い映画でもないが、もちろん良い映画でもない。

アラビアのロレンス
新文芸坐
ロレンスの最初のシーンで部下のたばこに火をつけてやるシーンから不思議な気持ちになる。全てがむなしい。

東京物語
神保町シアター
人生の虚しさがずっと続く。とにかく虚しい。

早春
神保町シアター
不倫映画はやっぱり好きだな。

サンクスギビング
TOHOシネマズ日比谷
特に意見が出てこない映画。

正欲
キネカ大森
別に水フェチでも人生困らないよな。事実、普通に仕事できてるみたいだし。水フェチならsoaked womanのチャンネルも観てるのかな。それと普通の人だってだいぶエロいことしてるよ。世界を見くびり過ぎだと思う。

台風クラブ
目黒シネマ
相米で一番評価されてるというか、青春クラシックという印象ですが、エドワード・ヤンみたいな抽象的な物語展開の映画だった。ずっと三上君のことをいいなと思っていたがそんなに結論を急がなくたっていいのに。死んだって大したことできない。渕崎ゆり子演じるミドリが特に良い。

哀れなるもの
TOHOシネマズ川崎
ヨルゴス・ランティモスはハリウッドの外国人監督としてとても気になっている。だいたいハリウッドで成功するのは、大学くらいから在米している人が多いし、ある程度キャリアを積んだあとにハリウッド進出しても大体は厳しい。ズームインアウト、広角レンズなど映像技法も多いし、演技、美術どこも濃い。

美しき諍い女
新文芸坐
ロングで撮って奥に行くときにちょっと寄りで続きを撮る編集が多いがこれはなんだろう。あんまり見掛けない編集だが、特段アヴァンギャルドな印象でもない。テーマを取ってもアートの苦悩でぶっちゃけどうでもいい。裸の魅力は確かにある。

3-4x10月
新文芸坐
北野武の映画の中でも不思議な出来。武が特別出演のようだ。

コンクリートユートピア
109シネマズ川崎
アカデミー賞にノミネートされているようですが、そんなに深い映画ではない。

リゾートバイト
目黒シネマ
松浦祐也目当てで鑑賞。監督もみんな楽しめてそうなのが良い。

夜の人々
シネマヴェーラ
逃避行が気持ち良い。

風の中の雌鶏
神保町シアター
いつ蹴るかいつ蹴るかと待ってしまった。そんなに責められるようなことかと思うが、人生だからしゃあないな。


東京暮色
神保町シアター
出生の謎をたどっていくと。寂しい映画だ。

雪の断章情熱
目黒シネマ
長回しで有名な作品ですが、冒頭から金掛ってるんだろうなと思わせる。男女三角関係の因縁を描くがどこか爽やか。一応殺人事件を見せるのだが、事件の解決に重きを置かない作劇が不思議。

東京上空いらっしゃいませ
目黒シネマ
この作品も有名だが、少し全体がくどく感じてしまった。一本調子というか。

ソナチネ
新文芸坐
語り口の省略が心地よい。

遺灰は語る
キネカ大森
しっかりした映画なんだけれど、退屈してしまい少し寝ているうちに終わってしまった。


日本映画
新作6本
旧作9本
ソフト0本
計15本
 
海外映画
新作5本
旧作4本
ソフト0本
計9本
 
合計24本

2023年映画ベスト(海外編)

  1. いつかの君にもわかること
  2. カード・カウンター
  3. ボーンズ・アンド・オール
  4. 雄獅少年/ライオン少年
  5. ダンサー in paris
  6. 郊外の鳥たち
  7. 青春弑戀
  8. ロスト・フライト
  9. マジック・マイク ラストダンス
  10. バビロン

次点:マイエレメント、ダークグラス、トリとロキタ、長靴をはいた猫

①の端正でしっかりした佇まいが素晴らしい。自らの人生が無残に終わることを理解した主人公の振る舞いが泣けてしょうがない。②忘れたい過去を清算するベタな展開が気持ち良い。③不気味な人喰いおじさんの熱演が忘れられない。④金にならなくたって輝きたい表現欲求に熱くなる。⑤爽やかなで正攻法なキャリア映画⑥カメラワークの細かいズームが新鮮。⑦ヒンヤリしたトーンで孤独を描く青春映画。⑧いちいち気が利いているけれど、大げさではない良作。⑨やっぱダンスの祝祭感が気持ち良い。⑩映画は芝居の世界では下等な表現であるという前提からいろいろ考えられた。

2023年12月鑑賞映画


鴛鴦歌合戦
国立映画アーカイブ
今まで3本ぐらいしか観ていませんが、マキノ正博の映画ってあんまり面白くないのかもという、疑念が芽生えた。宮川一夫の撮影スキルによる望遠の面白さなどは感じるが、決定的な良さが分からないまま終わってしまった。これと「君も出世ができる」が日本ミュージカルの名作として歴史的に語られれているが、こっちはだいぶ古臭く感じる。


TOHOシネマズシャンテ
北野武は前作の「アウトレイズ 最終章」の荒涼とした態度で、もう武はやる気がなくなったのかな、週刊誌でのトラブルでもなんだか映画で人生諦めきって女もつまんねぇなと言いたげな虚しさもカッコつけだったのかなと思っていた。演技のまとめ方の癖が独特だ。演技をしたい人はすれば良いし、したくない人はしなくても良いというふうにしたのかと疑いたくなるほど、全体のトーンは合っていない。加瀬亮中村獅童は濃い目の演技だが、遠藤憲一西島秀俊はちゃんと演技するが無理をしないというトーン、武や木村祐一はほぼしない。この不思議な温度差が心地いい。岸部一徳の関西弁の面白さは「団地」で知っていたがこの作品でもやはり面白い。ストーリーもまとまりがないのだが、それもまた良しと思えてしまう。

バッド・デイ・ドライブ

kino cinéma横浜みなとみらい
期待以上は特になく70点な作品。

 

MY (K)NIGHT
ほとんど予告などを見掛けておらず、THE RAMPAGEというLDHのグループが主演の映画なので、私の分類ではアイドル映画だが、東京国際映画祭に出展していることから調べると中川龍太郎が監督じゃないか。中川龍太郎といえば、平成生まれの若手のなかで分かりやすくメディアやSNSでスター監督として祀り上げられていないが、しっかり役者(特に女優)を立たせる映画を撮れるからか、割とメジャーフィールドで仕事ができそうなのが頼もしい。しかし、生真面目過ぎてハネてくれない印象もある。そんな中でRAMPAGEの出張ホスト風映画とのことでどうなるか気になって観に行った。これが、ハマりまくっている。出張ホストをもう少しマイルドというか、オシャレな名称にした「デートセラピスト」の時点でこの映画は二名目な世界観でいきますという宣言が気持ち良い。また、RAMPAGEの兄貴分というかオーナーが村上淳でそのトッポさも良い。撮影が簡単に言ってしまえばウォン・カーウァイというか、クリストファー・ドイル風のスローシャッターぽい夜の街の光の撮り方をしている。
ナレーションは流石に入れてないけれど。ただそれだけでもなく、面白い映像文法もある。映画のなかで安達祐実川村壱馬の会話を船と橋?での会話が場所を問わず編集されている。また、夏子、RIKUでカメラが360度回りながら間に会話を差し込む不思議な編集も楽しい。軽薄なチャラさが妙に心地いい。音楽もよく今年一番好きなサントラかもしれない。

 

ロスト・フライト
本当にいつもよりちょっと良い演出とストーリーで、小気味良い。ベストに入るぐらい好きだが、あまり書くことがない。

 

TOHOシネマズ日本橋
全体は楽しめたが、吉岡秀隆佐々木蔵之介、山田がアシストできておらず浮いていたのが気になってしまった。カメオ出演橋爪功に注目して、橋爪、佐々木、山田のメンツならばかなり演技は安定して芝居全体が心地よく観れたと思うがそうなると落ち着きすぎてこんなにヒットしないかもしれない。なんなら橋爪功は明らかに戦争責任のある人物として描いたらどうだろう。この映画戦争責任をカメラの外に置き過ぎのような気もするのでそこもカバーできる。前半の松竹版君の名はっぽい描写も楽しめた。神木隆之介は戦争全体、特攻できなかった、ゴジラを撃てなかった、どのトラウマなのかがハッキリしていないのが気になってしまった。それと神木隆之介は同世代なのにいつまでも少年性を求められているのが観てて違和感があるが、この映画で浜辺美波とセックスしてるのかが気になってしまう。この映画では浜辺が「独立しないと神木が嫁もらえないから」と言ったり、神木が抱きついたりするので妙にセックスを意識してしまう。その辺りの発言がなければ観客としてはこの二人なし崩し的にセックスしてるんだろうなと大人な見方が出来るがそれをさせない。悪夢にうなされてる神木が起きてたが、その時浜辺とは妙にすだれのようなものがあって、距離を作ったりする。実際の男女ペアと挨拶する時も、この二人セックスしてるのかなと生臭いことを考えてしまう私が下品なのでしょうか。

怪物の木こり
TOHOシネマズ川崎
なんとなく予告編からして良さそうと思ったが、残念ながら亀梨の演技が厳しく思えてしまう。ストーリーのしょぼさもどうだろう。しんみりし過ぎではないか。

 

市子
TOHOシネマズ川崎
「エゴイスト」とかを引き合いに出したくなるしんみりしつつも演技で引っ張っていく。年齢層が高くて、それも頷けるタイプの映画。

 

きっと、それは愛じゃない
ヒューマントラスト有楽町
まぁまぁなラブコメ。ロンドンのパキスタン人よりパキスタン在住の嫁候補の人の方がハードに遊んで
るのが面白い。若い相手とそんなことになったら、遊びのギャップはある程度覚悟しておかないとな。

 

TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー
youtuberが監督と聞いて怪しいなと思っていたが、序盤キャラ紹介からしてスムース。キャラクターが秀逸で、母を亡くしたシングルファーザー家庭で黒人。オーストラリアでの黒人の社会的地位は分からないが、パーティーでも微妙に差別をされているような居心地の悪さがある。それを跳ね除けるためにどこか空元気。なんだか悲しい。鬱陶しがられているがそれもギャグに変えちゃうもんね!という態度も痛々しい。友人の弟がとんでもないことになってしまうが、そこでも弟に対する責任よりも、母親と出会い直せたことに関心が行ってしまう。ホラー映画で責任感が強い人間ばかりだと物語が進まないのでしょうがないにせよ、やはり未熟なティーンなんだなと思ってしまう。そこから濡れた婆さんの足舐めなどはグイグイ楽しめる。そこからどうしても、結局はお前ら他人なんてどうなってもいいんだろとある人物がいうが、そこでのバスのシーンも素晴らしい。同じ乗り物に乗らないとホンネは言わない。この映画の主人公の「私の居場所がなくなっちゃうかも」という感情が効いている。ここ最近の母子の承認をテーマに扱った映画は本当に多い。


枯れ葉
ユーロスペース
アキ・カウリスマキの映画は予習していたが、なんだか相変わらずで楽しい。アルコール依存症はあんまり他人事でもないので、シリアスな気持ちになる。映画館前で電話番号を受け取るがなくすなんて、アナログや君の名はを思い出す。そんなに珍しい展開ではないが転がってくれる。

ゴースト・ワールド
bunkamura

ティーンガール映画はもう年齢的にあまり楽しめないかなと思って後回しにしていたがとても楽しめた。何よりイーニドが魅力的。本当に見ていて飽きない。ラグタイムや古いブルースのレコードを集めているブシェミに共感してしまう。ただ、どうすれば良かっただろう。しばらくは「ぼく、おじさんだから」とあしらうだろうけど、彼女見つけてあげると言い出す辺りでガッツくような気がしてしまう。セックスしてからイーニドが白けてしまうのは「なんだかんだ言ってこのオッサン他の男と変わらないセックスするような俗物なのか」というつまらなさなのかな。ブシェミをシーモアというキャラクターにしているのでサリンジャーを思い出してしまう。

 

王国(あるいはその家について)
新文芸坐2019年以来の鑑賞だがやはりすごい映画だ。脚本のドラマがとにかく素晴らしいので、脚本も購入した。足立智充の存在感は、今見てもやはり貴重だ。分類しずらい不思議な存在感。興奮して、電車に乗ってこの脚本を読んでいる人に話掛けてしまった。
 
日本映画
新作:7本
旧作:1本
計:8本
 
海外映画
新作:4本
旧作:1本
計:5本
 
合計:13本

2023年11月鑑賞映画

福田村事件
キネカ大森
話題作だし、森達也は大学生の時に読んだが、決定を後ろ回しにして考え続けることは社会生活の中では難しい(余裕がない)と思い、考え続けることを説くインテリに対して距離を取るきっかけをもらった。水道橋博士を私は政治的に一切評価しないけれど、演技は良かった。けれど、代議士を映画の役者として出すセンスは疑う。序盤言葉が多すぎないかとも思った。コムアイに寂しいから不倫したと言わせるのは言葉にしすぎじゃないか。それも公衆の面前で。性的敗北が暴力の燃料になっているのってどうだろう。性的敗北がなければ暴力に向かないということでは一切ない。松浦、井浦、コムアイどこも人間関係を性で捉えるのは、芸がないように見えてしまう。もちろん人の性的側面は重要なので安売りしないで必殺のテーマで描いていたらもっと切迫して見えるような。性的に満たされていても暴力に向くだろう。この映画は在日朝鮮人、部落差別、軍国主義に向く日本とテーマをいっぱい詰め込んだが、あんまりテーマを詰め込みすぎるとハッシュタグみたいに見えてしまう。それより一つのテーマを探る作品の方がより強い作品になると思う。比較になってしまうが昨年観た東映版「破戒」の方がずっと深く差別を描けていたように思える。

ザ・キラー
キネカ大森
デヴィッド・フィンチャーは映画に見切りをつけて、netflixと専属契約をしていると聞いていたし、編集スピード感もドラマと相性が良さそうなので、あまり自分の方は向いていないのかなと寂しく思っていたが、このB級感をもった楽しい監督とわかると親しみを感じられる。ザ・スミスって映画の世界では10年ぐらい前から流行りまくって今はちょっと落ち着いている印象だが、そこを掘る遅れた感覚もどこか愛せてしまう。

早すぎる、遅すぎる
アテネフランセ
ストローブ=ユイレは批評家なりがやけに語りたがる。もっと意地悪く言えば、批評系の世界では語っておけば頭が良さそうな監督の最強カードのような気がする。なので、ちょっと今まで引いていたが初めて観る。私がこの作品鑑賞を知ったのも廣瀬純が取り上げていたからで、正直あまり楽しめなかった。車でのグルグルと横パン~引き戻し横パンはなんだろう。グルグル回すところで、さっきは居なかったはずの牛かロバが急に出てくるシーンは良いがそんな面白いシーンは大してない。エジプトとエンゲルスの手紙を繋ぐが、全く関心しない。忖度して考えることも可能だろうけど、それだけの忖度を他の凡作でもしてあげれるだろうか。他のつまらない映画はダメだが、「ストローブ=ユイレ」様は忖度するようでは、権威主義に弱すぎる。なにより、こんな映画有難がってては革命できるのか?大衆を惹きつけれるのか?インテリの知識カードゲームに参加しているだけではないか?と思ってしまった。要するにスノビズムを感じてしまった。スノビズムってサロンの中のヒエラルキーを強化するのでは。

俗を嫌う気持ちは分かるが、エリートの世界はもっと身も蓋もない権威主義ネポティズムが蔓延っているのを察してから俗は下品かもしれないが、フェアネスは機能しているのを感じるようになった。

アン・ ラシャシャン
アテネフランセ
上記のような事を考えていた後にこの作品を観たので、意外とストローブ=ユイレも俗っぽいのもできるのかと好感をもった。一緒に行ったストローブ=ユイレマニアの友人曰く、こんなにわかりやすい作品は珍しいとのこと。もう少し見てみようとも思う。


死霊館のシスター呪いの秘密
Tジョイプリンス品川

沈黙の艦隊の予約できないよ」と騒ぐおじさんが居たので、「次の作品ボタンありますよ」と言ったらやっぱりあった。「プレミアムシートって何」と聞かれたのでさすがに「知りません」と答えた。死霊館シリーズの観たことない番外編。手堅く楽しめる。パラパラめくれる雑誌全体使って闇を見せるシーンが面白い。

 

Love Will Tear Us Apart
ジャック&ベティ
申し訳ないけれど、今年のワースト候補。なんでこんなつまらない映画を撮ってしまうんだろう。シーンを繋ぐセンスが厳しい。技術不足がなによりの要因か。

 

ドミノ
ロバート・ロドリゲスをそこまで意識したことがなく対した関心もない評価だったが、ほどよい湯加減が気持ち良い。赤いジャケット集団など良い。

 

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン
Tジョイプリンス品川
ディカプリオのよくわかっていないのになんとなく流されてしまう人が物悲しい。グラッドストーンが分かっていながら、受け入れるしかないのも悲しい。

 

法廷遊戯
TOHOシネマズ川崎
全体の演技は良いのになんだか物足りない。

 

若い傾斜
これまたどこか物足りない。

 

転がらなさが妙に面白い。

 

花腐し
荒井晴彦がいかにも描きそうな作品だ。メモリーレーンジャンルなのだが、交差する二つのタイムラインの速度が同じなので退屈してしまう。ラストのカラオケも長い。時間の取り扱いが下手なのかもしれない。でも女優が良いなと思ったらさとうほなみさんという音楽家とのこと。自然な魅力というか。

 

駒田蒸留所へようこそ
序盤の新人記者の仕事の適当さにがっくりきていたが、ファミリーツリーを王道に描く腰のすわった態度に好感をもって楽しめた。

 

ジャッリカットゥ牛の怒り
2年前の封切で見逃していたが、どこかでリバイバル観たいと思い鑑賞。編集のスマートさやヤケにハイテンションな会話も楽しい。タイマン展開があるのだが、そこで組み合う時に大声で「ウオー」と叫ぶのだが、これがそもそも声を出すだけでも迫力がでることを思い知らされる。




日本映画
新作5本
旧作2本
ソフト0本
計7本
 
海外映画
新作11本
旧作6本
ソフト0本
計17本
 
合計24本