TはTOKYOのTのブログ

映画ログを中心にしております。映画館での鑑賞が中心です。旧作より新作が過半数を超えるのが方針としてます。

2023年11月鑑賞映画

福田村事件
キネカ大森
話題作だし、森達也は大学生の時に読んだが、決定を後ろ回しにして考え続けることは社会生活の中では難しい(余裕がない)と思い、考え続けることを説くインテリに対して距離を取るきっかけをもらった。水道橋博士を私は政治的に一切評価しないけれど、演技は良かった。けれど、代議士を映画の役者として出すセンスは疑う。序盤言葉が多すぎないかとも思った。コムアイに寂しいから不倫したと言わせるのは言葉にしすぎじゃないか。それも公衆の面前で。性的敗北が暴力の燃料になっているのってどうだろう。性的敗北がなければ暴力に向かないということでは一切ない。松浦、井浦、コムアイどこも人間関係を性で捉えるのは、芸がないように見えてしまう。もちろん人の性的側面は重要なので安売りしないで必殺のテーマで描いていたらもっと切迫して見えるような。性的に満たされていても暴力に向くだろう。この映画は在日朝鮮人、部落差別、軍国主義に向く日本とテーマをいっぱい詰め込んだが、あんまりテーマを詰め込みすぎるとハッシュタグみたいに見えてしまう。それより一つのテーマを探る作品の方がより強い作品になると思う。比較になってしまうが昨年観た東映版「破戒」の方がずっと深く差別を描けていたように思える。

ザ・キラー
キネカ大森
デヴィッド・フィンチャーは映画に見切りをつけて、netflixと専属契約をしていると聞いていたし、編集スピード感もドラマと相性が良さそうなので、あまり自分の方は向いていないのかなと寂しく思っていたが、このB級感をもった楽しい監督とわかると親しみを感じられる。ザ・スミスって映画の世界では10年ぐらい前から流行りまくって今はちょっと落ち着いている印象だが、そこを掘る遅れた感覚もどこか愛せてしまう。

早すぎる、遅すぎる
アテネフランセ
ストローブ=ユイレは批評家なりがやけに語りたがる。もっと意地悪く言えば、批評系の世界では語っておけば頭が良さそうな監督の最強カードのような気がする。なので、ちょっと今まで引いていたが初めて観る。私がこの作品鑑賞を知ったのも廣瀬純が取り上げていたからで、正直あまり楽しめなかった。車でのグルグルと横パン~引き戻し横パンはなんだろう。グルグル回すところで、さっきは居なかったはずの牛かロバが急に出てくるシーンは良いがそんな面白いシーンは大してない。エジプトとエンゲルスの手紙を繋ぐが、全く関心しない。忖度して考えることも可能だろうけど、それだけの忖度を他の凡作でもしてあげれるだろうか。他のつまらない映画はダメだが、「ストローブ=ユイレ」様は忖度するようでは、権威主義に弱すぎる。なにより、こんな映画有難がってては革命できるのか?大衆を惹きつけれるのか?インテリの知識カードゲームに参加しているだけではないか?と思ってしまった。要するにスノビズムを感じてしまった。スノビズムってサロンの中のヒエラルキーを強化するのでは。

俗を嫌う気持ちは分かるが、エリートの世界はもっと身も蓋もない権威主義ネポティズムが蔓延っているのを察してから俗は下品かもしれないが、フェアネスは機能しているのを感じるようになった。

アン・ ラシャシャン
アテネフランセ
上記のような事を考えていた後にこの作品を観たので、意外とストローブ=ユイレも俗っぽいのもできるのかと好感をもった。一緒に行ったストローブ=ユイレマニアの友人曰く、こんなにわかりやすい作品は珍しいとのこと。もう少し見てみようとも思う。


死霊館のシスター呪いの秘密
Tジョイプリンス品川

沈黙の艦隊の予約できないよ」と騒ぐおじさんが居たので、「次の作品ボタンありますよ」と言ったらやっぱりあった。「プレミアムシートって何」と聞かれたのでさすがに「知りません」と答えた。死霊館シリーズの観たことない番外編。手堅く楽しめる。パラパラめくれる雑誌全体使って闇を見せるシーンが面白い。

 

Love Will Tear Us Apart
ジャック&ベティ
申し訳ないけれど、今年のワースト候補。なんでこんなつまらない映画を撮ってしまうんだろう。シーンを繋ぐセンスが厳しい。技術不足がなによりの要因か。

 

ドミノ
ロバート・ロドリゲスをそこまで意識したことがなく対した関心もない評価だったが、ほどよい湯加減が気持ち良い。赤いジャケット集団など良い。

 

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン
Tジョイプリンス品川
ディカプリオのよくわかっていないのになんとなく流されてしまう人が物悲しい。グラッドストーンが分かっていながら、受け入れるしかないのも悲しい。

 

法廷遊戯
TOHOシネマズ川崎
全体の演技は良いのになんだか物足りない。

 

若い傾斜
これまたどこか物足りない。

 

転がらなさが妙に面白い。

 

花腐し
荒井晴彦がいかにも描きそうな作品だ。メモリーレーンジャンルなのだが、交差する二つのタイムラインの速度が同じなので退屈してしまう。ラストのカラオケも長い。時間の取り扱いが下手なのかもしれない。でも女優が良いなと思ったらさとうほなみさんという音楽家とのこと。自然な魅力というか。

 

駒田蒸留所へようこそ
序盤の新人記者の仕事の適当さにがっくりきていたが、ファミリーツリーを王道に描く腰のすわった態度に好感をもって楽しめた。

 

ジャッリカットゥ牛の怒り
2年前の封切で見逃していたが、どこかでリバイバル観たいと思い鑑賞。編集のスマートさやヤケにハイテンションな会話も楽しい。タイマン展開があるのだが、そこで組み合う時に大声で「ウオー」と叫ぶのだが、これがそもそも声を出すだけでも迫力がでることを思い知らされる。




日本映画
新作5本
旧作2本
ソフト0本
計7本
 
海外映画
新作11本
旧作6本
ソフト0本
計17本
 
合計24本