鴛鴦歌合戦
国立映画アーカイブ
今まで3本ぐらいしか観ていませんが、マキノ正博の映画ってあんまり面白くないのかもという、疑念が芽生えた。宮川一夫の撮影スキルによる望遠の面白さなどは感じるが、決定的な良さが分からないまま終わってしまった。これと「君も出世ができる」が日本ミュージカルの名作として歴史的に語られれているが、こっちはだいぶ古臭く感じる。
首
TOHOシネマズシャンテ
北野武は前作の「アウトレイズ 最終章」の荒涼とした態度で、もう武はやる気がなくなったのかな、週刊誌でのトラブルでもなんだか映画で人生諦めきって女もつまんねぇなと言いたげな虚しさもカッコつけだったのかなと思っていた。演技のまとめ方の癖が独特だ。演技をしたい人はすれば良いし、したくない人はしなくても良いというふうにしたのかと疑いたくなるほど、全体のトーンは合っていない。加瀬亮、中村獅童は濃い目の演技だが、遠藤憲一、西島秀俊はちゃんと演技するが無理をしないというトーン、武や木村祐一はほぼしない。この不思議な温度差が心地いい。岸部一徳の関西弁の面白さは「団地」で知っていたがこの作品でもやはり面白い。ストーリーもまとまりがないのだが、それもまた良しと思えてしまう。
バッド・デイ・ドライブ
kino cinéma横浜みなとみらい
期待以上は特になく70点な作品。
MY (K)NIGHT
ほとんど予告などを見掛けておらず、THE RAMPAGEという
LDHのグループが主演の映画なので、私の分類ではアイドル映画だが、
東京国際映画祭に出展していることから調べると
中川龍太郎が監督じゃないか。
中川龍太郎といえば、平成生まれの若手のなかで分かりやすくメディアやSNSでスター監督として祀り上げられていないが、しっかり役者(特に女優)を立たせる映画を撮れるからか、割とメジャーフィールドで仕事ができそうなのが頼もしい。しかし、生真面目過ぎてハネてくれない印象もある。そんな中でRAMPAGEの出張ホスト風映画とのことでどうなるか気になって観に行った。これが、ハマりまくっている。出張ホストをもう少しマイルドというか、オシャレな名称にした「デートセラピスト」の時点でこの映画は二名目な世界観でいきますという宣言が気持ち良い。また、RAMPAGEの兄貴分というかオーナーが
村上淳でそのトッポさも良い。撮影が簡単に言ってしまえば
ウォン・カーウァイというか、
クリストファー・ドイル風のスローシャッターぽい夜の街の光の撮り方をしている。
ナレーションは流石に入れてないけれど。ただそれだけでもなく、面白い映像文法もある。映画のなかで
安達祐実、
川村壱馬の会話を船と橋?での会話が場所を問わず編集されている。また、夏子、RIKUでカメラが360度回りながら間に会話を差し込む不思議な編集も楽しい。軽薄なチャラさが妙に心地いい。音楽もよく今年一番好きなサントラかもしれない。
ロスト・フライト
本当にいつもよりちょっと良い演出とストーリーで、小気味良い。ベストに入るぐらい好きだが、あまり書くことがない。
TOHOシネマズ日本橋
全体は楽しめたが、吉岡秀隆、佐々木蔵之介、山田がアシストできておらず浮いていたのが気になってしまった。カメオ出演の橋爪功に注目して、橋爪、佐々木、山田のメンツならばかなり演技は安定して芝居全体が心地よく観れたと思うがそうなると落ち着きすぎてこんなにヒットしないかもしれない。なんなら橋爪功は明らかに戦争責任のある人物として描いたらどうだろう。この映画戦争責任をカメラの外に置き過ぎのような気もするのでそこもカバーできる。前半の松竹版君の名はっぽい描写も楽しめた。神木隆之介は戦争全体、特攻できなかった、ゴジラを撃てなかった、どのトラウマなのかがハッキリしていないのが気になってしまった。それと神木隆之介は同世代なのにいつまでも少年性を求められているのが観てて違和感があるが、この映画で浜辺美波とセックスしてるのかが気になってしまう。この映画では浜辺が「独立しないと神木が嫁もらえないから」と言ったり、神木が抱きついたりするので妙にセックスを意識してしまう。その辺りの発言がなければ観客としてはこの二人なし崩し的にセックスしてるんだろうなと大人な見方が出来るがそれをさせない。悪夢にうなされてる神木が起きてたが、その時浜辺とは妙にすだれのようなものがあって、距離を作ったりする。実際の男女ペアと挨拶する時も、この二人セックスしてるのかなと生臭いことを考えてしまう私が下品なのでしょうか。
怪物の木こり
TOHOシネマズ川崎
なんとなく予告編
からして良さそうと思ったが、残念ながら亀梨の演技が厳しく思えてしまう。ストーリーのしょぼさもどうだろう。しんみりし過ぎではないか。
市子
TOHOシネマズ川崎
「エゴイスト」とかを引き合いに出したくなるしんみりしつつも演技で引っ張っていく。年齢層が高くて、それも頷けるタイプの映画。
きっと、それは愛じゃない
るのが面白い。若い相手とそんなことになったら、遊びのギャップはある程度覚悟しておかないとな。
youtuberが監督と聞いて怪しいなと思っていたが、序盤キャラ紹介
からしてスムース。キャ
ラクターが秀逸で、母を亡くしたシングルファーザー家庭で黒人。オーストラリアでの黒人の社会的地位は分からないが、パー
ティーでも微妙に差別をされているような居心地の悪さがある。それを跳ね除けるためにどこか空元気。なんだか悲しい。鬱陶しがられているがそれもギャグに変えちゃうもんね!という態度も痛々しい。友人の弟がとんでもないことになってしまうが、そこでも弟に対する責任よりも、母親と出会い直せたことに関心が行ってしまう。ホラー映画で責任感が強い人間ばかりだと物語が進まないのでしょうがないにせよ、やはり未熟な
ティーンなんだなと思ってしまう。そこから濡れた婆さんの足舐めなどはグイグイ楽しめる。そこからどうしても、結局はお前ら他人なんてどうなってもいいんだろとある人物がいうが、そこでのバスのシーンも素晴らしい。同じ乗り物に乗らないとホンネは言わない。この映画の主人公の「私の居場所がなくなっちゃうかも」という感情が効いている。ここ最近の母子の承認をテーマに扱った映画は本当に多い。
枯れ葉
ユーロスペース
アキ・カウリスマキの映画は予習していたが、なんだか相変わらずで楽しい。アルコール依存症はあんまり他人事でもないので、シリアスな気持ちになる。映画館前で電話番号を受け取るがなくすなんて、アナログや君の名はを思い出す。そんなに珍しい展開ではないが転がってくれる。
ゴースト・ワールド
bunkamura
ティーンガール映画はもう年齢的にあまり楽しめないかなと思って後回しにしていたがとても楽しめた。何よりイーニドが魅力的。本当に見ていて飽きない。
ラグタイムや古いブルースのレコードを集めているブシェミに共感してしまう。ただ、どうすれば良かっただろう。しばらくは「ぼく、おじさんだから」とあしらうだろうけど、彼女見つけてあげると言い出す辺りでガッツくような気がしてしまう。セックスしてからイーニドが白けてしまうのは「なんだかんだ言ってこのオッサン他の男と変わらないセックスするような俗物なのか」というつまらなさなのかな。ブシェミを
シーモアというキャ
ラクターにしているので
サリンジャーを思い出してしまう。
王国(あるいはその家について)
新文芸坐2019年以来の鑑賞だがやはりすごい映画だ。脚本のドラマがとにかく素晴らしいので、脚本も購入した。足立智充の存在感は、今見てもやはり貴重だ。分類しずらい不思議な存在感。興奮して、電車に乗ってこの脚本を読んでいる人に話掛けてしまった。
日本映画
新作:7本
旧作:1本
計:8本
海外映画
新作:4本
旧作:1本
計:5本
合計:13本