TはTOKYOのTのブログ

映画ログを中心にしております。映画館での鑑賞が中心です。旧作より新作が過半数を超えるのが方針としてます。

2023年4月鑑賞映画

わたしの幸せな結婚
 TOHOシネマズ川崎
タイトル引っ掛かりが無いなと予告編で思っていましたが、キーマンの年寄りとして、石橋蓮司を使うのが良い。やっぱり出てくる役者に年齢的メリハリをつけると観ていてハリが出てくる。


トリとロキタ
立川konocinema
ストイックな表現のダルデンヌ兄弟の新作。いつも良いので、そりゃ良いよなとなってしまうが、今作でもやっぱ良い。特別近すぎず、遠すぎずなカメラ位置と、有機的でし、無駄がないアクション。やっぱすごいなと思わされる。ダルデンヌチルドレンは世界中にいるし、ちゃんと成果を挙げている例とては「17歳の瞳に映る世界」や「海辺の彼女たち」。オリジナルはやっぱすごい。完成され切っているのであまり言うことがない。

ムーンエイジ・ドリーム
チネチッタ川崎
平日なのに女性客中心に多い。終わると拍手していた。アーティストとしてのドキュメンタリーかな。ディスコグラフィーというよりかは、アーティストとしての変遷を辿るような作りだった。2001年の骨ぶん投げなど、映画史的な目配せがあるが、あまりそういうのは好きじゃないかな。

AIRエアー
ヒューマントラスト渋谷
アケルマン特集がいっぱいなので、代わりに鑑賞。選手へのスポンサーなんてあまり興味が湧かないがやっぱり、あまり興味が湧かない。私の好きなジェイソン・ベイトマンが出てるのは嬉しい。佳作って感じかな。隣のおっさんが変な笑いかたをするので後半は立ち見。笑うのはいいけれど、台詞を繰り返すのはキツい。

街をぶっ飛ばせ
ヒューマントラスト渋谷
シャンタル・アケルマン4本目。本当に最初のキャリアらしいが、映画を通して自爆テロを仕掛けるということかな。

家からの手紙
ヒューマントラスト渋谷
シャンタル・アケルマンがニューヨーク時代に家族との文通を足立正生の「略称・連続射殺魔」の手法で撮ったという認識。母親との繋がりがだいぶ強い方なんだなと見ながら思い知らされました。

ダークグラス
シネマサンシャイン平和島
ソリッドな語り口が気持ち良い。主演に華があるのも良い。動機が臭いというのは、なかなかなぁ。いかにもありそうな気もする。売春の時に、着物風を来ているのだが、エロ動画でもエロ服としての着物を観たことあるので、欧米では着物はエロ服ジャンルになっているのかな。

ノック終末の訪問者
TOHOシネマズ川崎
予告の時点でデイブ・バウティスタがセミカジュアルにメガネというルックが面白い。予告の通り、終末が訪れるし、救われる。シャマランはどんでん返し監督と言われているが、ハプニングやこのノックはそのままになんだこれな展開をしてくれるのも面白い。

天草四郎時貞
国立映画アーカイブ
大島渚は苦手意識がある。批評家に持ち上げられているのを観ると、批評家向けに作られているのかなと思ってしまう。先日、読んだ小川徹現代日本映画作家論のなかでも真っ先に挙げられていた。この映画を観るとやっぱり苦手だと再確認してしまう。音楽を垂れ流し、演説がダルくて仕方ない。ご本人も失敗作と認めているらしい。大川橋蔵はこの映画と「恋し恋なせな恋」を同じ年に主演したとのこと。三國連太郎はこの手のコミュニティ内の困った人を演じると面白い。

御法度
国立映画アーカイブ
一昨年「燃えよ、剣」を観たけれど、同じく司馬遼太郎原作だけれど、不思議で面白い。大島渚メソッドとして芸能人を配役する。ビートたけし崔洋一などはなんとなく想像できるが、トミーズ雅が意外にヒットした。新撰組をBL的に観るセンスがあることは知っていたが、それを全面展開している。大島渚の同性愛を描く時のセンスはクィアリーディングとしてどうだろう。ビートたけしが表現する半笑いでの「同性愛、困っちゃうな」という差別的と言えなくもない態度や「あいつら出来てるな」とか、「俺はそのケないよ」などの軽いセンスは評価するんだろう。ノンケ男のリアルな同性愛に対する距離感とも取れるが、切実さが欠けているようにも思える。作家が当事者だと、同性愛文学にカテゴリーし、作家が非当事者だとBLにカデゴリーするというのを聞いたことがあるが、同性愛を経験していない監督なのでBLになったということかな。

少年
国立映画アーカイブ
戦争から人生のバランス失った男性って「しとやかな獣」でも出てきてたな。

Never Goin' Back/ネバー・ゴーイン・バック
キネカ大森
A24のガールズムービーでお馬鹿ノリ強めなのが特徴かな。冒頭の傍若無人ノリを危惧したが、気にならなかった。ウチらサイコー映画として気持ちいいが、「Zolaゾラ」の批評性を考えると幼く感じる。実際に幼いから仕方ないか。山崎まどかさんがコメント出してそうだなと思ってし調べたら、やっぱりコメントを出してた。

Zolaゾラ
キネカ大森
本当にやっぱり好きだ。扇動的でありながら批評的。ちょこちょこでてくる、すごい太っているストリッパーのトランスジェンダーや、すごい大きい謎の女、逃亡する際にプールで寝そべっている小人症の男など、細かい不思議な存在が面白い。ステファニーパートのゾラが私に嫉妬する理由その2はやっぱり人種についてかな。黒人のウザい女が居てさという話をステファニーがするとき、デレクがハッとする様から人種についてのアンテナはちゃんとついている。この黒人文化に馴染みながらもNワードを使ってしまう人物をエルヴィス・プレスリーの孫に演じさせるという意地悪に見えなくもない配役も素晴らしい。

ラスト・エンペラー
キネカ大森
坂本龍一はやっぱり演技が下手だ。アジアは日本の物だ!と怒鳴るシーンで拳を振り上げて言うのだけれど、カット尻に手が妙な位置にあるのも不思議だが、これは坂本龍一の責任ではない。英語で中国人が喋る時点であまり期待できないが、日本語が出てくるので尚更おかしくなる。イデオロギーというより言語をおろそかにするような作品は、あまり期待できない。

名探偵コナン黒鉄の魚影
TOHOシネマズ川崎
やっぱコナン良いですね。コナンを観ていない時は、なんで子供向けコンテンツがこんなに観られているんだろうと思っていたが、かなり大人向けで、元ネタのミステリーが好きな人とかはもっとたまらないんだろう。目暮の元ネタのメグレを最近観たが、太ってる設定もそのままなのか。レオンハルトの髪型が良い。

search #サーチ2
109シネマズ川崎
アームチェア・ディテクティブというジャンル名が小説であるが、これは正にそれの現代版。前作も観たはずだけれど、あまり印象に残っていないけれど、面白かった記憶はある。

In my room
アテネフランセ
慶應義塾のドイツ文学教員とファスベンダーの紹介などドイツ映画に造詣が深い渋谷哲也プレゼンの上映会。監督はウルリヒ・ケーラー日独学術交流会の予算で開催。喫煙所で絡んでみた男性もドイツ語教員らしい。参加者はアカデミックな方が多く、映画ファンとも少し違う雰囲気が面白かった。監督QAでもドイツ語質問する方がいた。リップサービスかもしれませんが北野武に影響を受けたと言っていた。アテネフランセは風呂に入っていない人が居るような気がする。誰かがちゃんと言ってやらないといけない。映画は「ノック」じゃないが、終末もの。渋谷氏の活弁方式の翻訳ナレーション上映。ちゃんとした資本のもとでの製作なので、権利もうるさいらしい。

冬薔薇
キネカ大森
2022年のベスト級映画を見返してばかりだ。小林薫が最初っから息子に友達がいないことをわかっていて寂しい。やっぱり演技、カメラ、ストーリーどこ取っても素晴らしい。

全然関係ないけれど、この二本の間の予告編で「そばかす」が流れたけれど、なんで「そばかす」というタイトルなんだろうと思っていたが主人公の名前のあだ名としてそばかすなのね。キムタクとかトヨエツみたいなことか。女性でこのあだ名ってあまり聞いたことがない。この姓名の頭二文字取りは、ジャズメンのあだ名の付け方がルーツらしい。

団地
キネカ大森

見逃していた阪本順治作品。こんな素晴らしい作品を見逃していたなんて。藤山直美がすごいのは噂で聞いていたが、岸部一徳もすごい。岸部一徳がギャグを言うときの感触はあまり他で観たことがない。それと、さすが大阪出身の阪本順治だからか、関西弁のうまさがすごい。いつもいつも出ている石橋蓮司には、無理をさせないで東京出身者を演じさせる。岸部一徳は昔の人だから東京に出てきた時に関西弁を矯正させられたんじゃないかな。確かジュリーはそんなことを言っていた。この岸部一徳の関西弁が面白い。

 

キネカ大森
確かに芸術映画なんでしょうけど、退屈に思えてしまう。つまらなくて偉そうなアート伝記映画のイメージのまんまで、キツい。デレク・ジャーマンもビッグネームですが、鑑賞は初めて。どれもこんなノリなら見続けるのはお断りしたい。今のところ傾向としてニュージャーマンシネマに括られる映画監督はだいたい苦手だ。

 

ゴダールの探偵
ゴダールもそこまでピンと来ないままだが、この映画は割と楽しめた。ジャンル映画としてのセットアップは組むけれど、遂行しきらないというのがこの映画の挑戦かと思った。廣瀬純トークショー付きで、ゴダールは全ての映画をパート2として撮っているという話とアイデアのネタ切れしてから出てくるアイデアを映画にしている、とのことだった。ジャン・ピエール・レオってジェイソン・ベイトマンと少し似てませんか。黄色いネクタイがカッコいい。
Detective (1985) - IMDb
Jason Bateman Teases New Movie 'Air' With Ben Affleck & Matt Damon: 'It's  Bitchin'



ギンガムチェックのモノクロジャケットがカッコいいので、秋ごろに作るか買うかしたい。参考写真がない。

 

ゴダールの決別
本当にしんどかった。冒頭からこんな渋い画の映画もあるのかと思っていると、全然面白く転がってくれない。この転がしていかないのが、ゴダールファンにはこういうのが好きなのかな。メタ映画論をダラダラ語るのも言い訳臭くてダサく感じる。

 

午前4時にパリの夜は明ける
ロメールフォロワーは本家フランスでもやっぱり多い。この映画もだが、「みんなのヴァカンス」も意識していた。フランスのフォロワーは質感としてはかなり近づける。良い映画だけれど、そこまでコメントが湧いてこないかもしれない。


海外
新作7本
旧作9本
計16本
日本
新作2本
旧作5本

計7本
合計23本