TはTOKYOのTのブログ

映画ログを中心にしております。映画館での鑑賞が中心です。旧作より新作が過半数を超えるのが方針としてます。

2022年10月映画鑑賞

リキッド・スカイ
K’sシネマ
美術が最高。アート系の人から評価が高いのも頷ける。それでも、主人公にデヴィッド・ボウイワナビーなことを語らせるなど、冷めた感覚も素晴らしい。この映画の監督 スラヴァ・ツッカーマンという人についてIMDBで調べたけれど、まだまだ現役らしいけれど、日本で公開はされていない。


ワンダーウォール
K’sシネマ
ジョージ・ハリソンがインドに浸かったサイケデリック映画。内実は覗き魔ソフトエロ映画。もっとストーリーでねじ巻いてほしいなと思ったが、サイケデリックな感覚を楽しむ映画なのでこのぐらいのストーリーで充分かな。


昇天峠
K’sシネマ
ブニュエル作品をこんなところでも拾えるなんて嬉しい。メキシコ時代の映画。日本語でググったら「エクストリームな清水宏の有りがたうさん」と書いている人がいたが、まさにそんな映画。一応は相続争いジャンル。昔の映画のハプニングとして、出産がたまに出てくるが、それを年長者の一般女性が産婆としてサポートするが遠くない昔では、一般女性でも産婆スキルが身についていたのかな。とはいえ、昔の方が死産率が高いため、それがあるべき姿の出産とは思いません。そんなことも思った。主人公に言い寄るリリア・ラプドという女優が綺麗で気になる。


マイ・ブロークン・マリコ
TOHOシネマズ川崎

女性連帯映画。予告編を観て、親から遺骨を奪うなんて親友でも許されないよな、と思いながら鑑賞。
こんな事情なら話は別だな。近い設定のプロミシング・ヤング・ウーマンと比べて日本映画でしっかり撮るとこうなるよなという地に足ついた印象もグッド。ただ、窪田正孝が助けてくれるけれど、あんな薄いコミットでは助けたりできないのが現実のような気もする。窪田か永野どちらかが、はっきりとコミットメントを示さないとあんなアクションできない。飲み屋や街中で話を聞いてくれる人はいるけれど、そんな人が助けてはくれない。



アキラとあきら
TOHOシネマズ川崎
三木孝浩の映画は今夜、世界からこの恋が消えてもから2作目、TANGタングは観れていない。お仕事映画というか金融を扱った映画ということでマネーショートみたいな面白い映画かもと思い鑑賞。映画のクライマックスが社内の稟議書というのが、リアルなのかもしれない。金融系なんて対外的な提案よりも社内根回しに使っている時間の方が長いのかもしれない。更にそのソリューションが信用貯金を切り崩すという身も蓋もないのが、面白い。部長がダメでも役員に庇ってもらえればどうにか進むなんて、あるあるかな。

秘密の森の、その向こう
109シネマズ川崎
セリーヌ・シアマのベーシックな作風かな。さっぱりして、欲しがりすぎない禁欲的なストーリーは、近年のヨーロッパ映画エリートの特徴のような気もする。子供可愛いな。それと後述の映画にも出てくるが、母の失踪をテーマにするのも傾向かな。ピラミッドのぶち上げ感が気持ちいい。

ソングバード
kino cinéma横浜みなとみらい

コロナ渦のリモートやパンデミックを取り扱った映画。B級だけど、B級であることの身の丈にあった映画。コロナ渦でごみ処理場のおっさんが成り上がって街を支配するなんて、夢があっていいじゃない。でもそんなエッセンシャルワーカーを悪役に仕立てていいのかなとも思うが映画なんだからそれぐらい飛躍があっていい。ただ、やっぱりリモートだと熱い感動はなかなか感じられない。



花様年華
ジャック・アンド・ベティ
チャイナドレス良いですね。演技を一度してから、カットしないで、パターン違いの展開を見せるのが面白い。このトニー・レオンみたいなおっさんになりたいけれど、私は太りすぎかな。床屋に写真持っていきたい。ポマードで固めるのかな。


彼女のいない部屋
ジャック・アンド・ベティ
マチュー・アマルリック監督。この映画でも母の失踪を描くし、欲しがりすぎない禁欲的なストーリー。渋い。

沈黙のパレード
TOHOシネマズ川崎
撮影の山本英夫の映画は今年でLOVE LIFE、甲州街道から愛を込めてから3作目。どれもタイプが違う作家性の監督、公開規模、制作会社どれも違うのにどれも撮影が素晴らしい。友人と観たがガリレオシリーズは初。大人向けの渋いストーリーも良い。福山雅治みたいにフチなしの眼鏡をしてみたい。

耳をすませば
TOHOシネマズ川崎
作家に対して編集者が気持ちよくなるための相手の気持ちさを一切考えない攻撃的な土下座が観られる。私は偉そうなこと言ってもまだ土下座したことない。子役の女の子の演技が子役臭くて、ちょっとかわいそう。カメラでハッとさせてくれるのは、最初の20分ぐらいのみ。恋愛的には、そんな男忘れて、その辺の男でいいんじゃないと白けた目で見てしまった。この二人、結婚してからも松坂はお前に付き合ってあげているんだという偉そうな態度をしそうながする。

“それ”がいる森
TOHOシネマズ川崎
最高に面白い。相葉が江口のり子と結婚している時点でなんだか面白い。ツルっとした男の夫人が渋めなんて、なかなか思いつかない。更に相葉が義父にいじめられて、実家に帰らされているなんて、更に面白い。映画の馬鹿馬鹿しさに真っ向から立ち向かう態度に感動。ノープと同じ問題認識だと思うけれど、ノープの方が内申点が高いため、どうしても評論家からウケが良い。


恋する女たち
国立フィルムアーカイブ
大森一樹の映画は初めて。私が映画を観るようになったときは、すでに教育者側に回ってしまって、現役感は薄い。この映画で森田芳光金子修介と同じく80sな雰囲気ってこんな感じなのかなと納得する。私の親世代ですかね。


N・P
ジャック・アンド・ベティ
トーク付きで観て、音楽はプロデューサーが推薦して決めたといっていた。音響調整のため10分ほど上映が遅れたのはここに残しておこう。サイレントで撮るならなら動きでもっと表現してほしい。被写体が止まってして、カメラも止まっていては面白さが薄い。セリフは字幕ででるのは、サイレントの一般的なスタイルではない。普通は動きがあってから、セリフ画面というのがでるのが一般的なんだけれど、この映画ではモノローグや背景説明の時に黒バックに白文字がでるシステムが中心だった。


Zolaゾラ
ジャック・アンド・ベティ
ついにA24がやってくれた。最近のA24は内申点が高い優等生映画ばかりで、手放しで楽しめない映画が多かったけれど、この映画は本当に楽しい。編集のキレとブラフが気持ちいい。具体的に書くとホテルの一室でドアを開けると輩に連れ込まれる。という緊張感が高いシーンで、ドアを開けたところにいる警戒対象の男の顔を観るカットが2回同じ映像として差し込まれる。なんだこれ。しかも、ヌーベルバーグに影響を受けましたといいたげな内申点狙いじゃない、馬鹿馬鹿しさ満点のショックなカット。構図も面白く、タンパもモーテルに着いて荷物を車から降ろして部屋に入って行くシーンではモーテルの2階で少年二人がバスケットボールで遊んでいるのだが、その動きとボールをつく音がやけに大きくて、リズミカルで気持ち良い。それをロングショットなので1階では荷下ろし、2階ではバスケと合わせて撮る構図が美しい。Twitterが原作かと勘違いするが、正しくはそのTwitterをもとにしてまとめたローリングストーンズ誌の記事らしい。Twitterの効果音がポチョンって流れるけれど、そこをうるさく感じる人がいるかもしれない。それと音楽も素晴らしいけれど、Mica levi。


スペンサー ダイアナの決意
チネチッタ川崎
パブロ・ララインはエマ、愛の罠が最高に面白かったけれど、スペンサーでもダンスシーンがエマっぽかった。精神的に追い詰められていて、遅刻や周りからは奇妙に映る行動を起こし、周囲から更に距離を置かれてしまう。ここまで行くとなかなか周りのヘルプが難しい。レズビアンの衣装担当との友情については評価する人が多いけれど、別に同性愛者は聖人ではないから、同性愛者に救われる展開は同性愛者をマジカルな存在として描いていないか?とも思う。人から見られることで女性はどんどん美しくなると沢木耕太郎が書いていたが、殺されてしまうことだってあるのかな。


カラダ探し
チネチッタ川崎
若者が良い感じにガヤガヤしている劇場で鑑賞。友達がいないとしても、毎日同じ繰り返しなんて簡便してほしい。ノリがアッパーな青春で気持ち良い。タテノリが気持ちいい。


劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 冥き夕闇のスケルツォ
チネチッタ川崎
恐らく今年観た映画でタイトル最長かも。これかアンラッキーポルノだろうな。前作を楽しく観たので、観始めたがあれ、もしかして間に作品あるのかなと思うぐらいうまくついていけなかった。前作の方は女性同士の連帯がテーマだが、今作の方がロマンス要素強め。このキャラクターの造形含めてオタクど真ん中ぽいのは、なかなか感慨深い。ストレートに楽しめる。


線は、僕を描く
TOHOシネマズ川崎
ちはやふるシリーズは観たことがないけれど、そのチームらしい。確かにシャープだけれど、そこまでパワーを感じない。それが今っぽいといえば今っぽい。ラストあたりの俗語としてのモンタージュはあれでオッケーなのかな。横浜流星ちょっとメイク変えたのかな。なんかいつもと違う。美しすぎる○○って、その目線そろそろやめませんか。

MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない
チネチッタ川崎
上申制度はもちろん組織の基本だけれど、こんなタイムループならある程度のラフプレーもありかな。それでも上品に上司を説得するのが、この映画のストーリーの上品さになっている。上司の漫画を描きたいという自己実現もそこまで、大仰にならないのも上品。中小企業でも部長になるの結構大変なんだぜ。夢追い人から堅気に転向したとしても大したもんじゃない。転職周りにやっぱり、嫌な客先の担当者を池田亮が演じていた。このタイプキャストやっぱハマるな。私もたまに広告系の会社と絡みがあるけど、こんなゴリ押しノリの人たまにいる。ゴリ押しの人とはなるべくかかわりたくない。編集の面白さは14歳の栞から変わらず。ドキュメンタリーであんなハッチャけた音楽使いできたんだから、劇映画では余裕。カッコいい映画が好きな人にハマりそう。

あなたと過ごした日に
横浜シネマリン
シネマリンで時間の合う映画ということで鑑賞。かなり渋く地味目なコロンビア映画と思ったら、スペイン人の監督と主演なので少し外からの目線もあるのかな。ちょっと左翼がかった医療衛生の大学教授のファミリー映画。来場者特典の除菌用アルコールはつまらないと思ったが、観てみたら納得。前衛映画ではないので、こんなファミリードラマもたまには良いじゃないと思えました。

百合の雨音
ジャック・アンド・ベティ
ネオロマンポルノ。実をいうと本家ロマンポルノは観たことがなく、あまりに伝説化しているのでかえって敷居を高く感じてしまっているというのが言い訳です。ただ、カメラと演出、演技は金子監督らしいプロフェッショナリズムで楽しめる。ただ音楽の笛はダサく感じてしまった。これもあえてなんでしょうが、他の要素のレベルが高いだけに気になってしまった。

アムステルダム
ブルク13
横浜のブルク13は深夜上映をやっているのは頼もしい。横浜に自転車で行った際には候補にしよう。映画は渋めの史実もの。クリスチャン・ベールはカメレオン俳優といえば聞こえは良いが、悪く言うと無個性に思えてしまう。今回はサム・ロックウェル的な諦感、疲れた男というよりおじさんの魅力を上手く演じているがガツンとは来ない。このガツンと来ないのは、他の主演のマーゴット・ロビー、デヴィッド・ワシントンにも言える。キレイっちゃキレイだけれどその分、暴力的に訴えてくる魅力は薄いのは全体に言える。それに比べるとラミ・マレックとアニャちゃんの癖のある悪役夫婦の方が私は観ていて気持ち良い。ラミ・マレックの濃い味わいは当然だとして、アニャちゃんの押しの強い悪役がハマっていた。アニャちゃんも役者として、そろそろセカンドシーズンに来ているけれど、こんな悪役が似合うなら、今後も活躍しそう。目が離れている不思議な顔だ。今回はメイクて特に離れているのを強調しているような気もする。ここが良い。顔からしてなにかドラマが怒りそうなのが良い。

にも関わらず、ラストで総集編のような編集をするのは神経を疑う。こんなのやられてしまうと失敗作だ。まともに語りきることをリタイアしてしまった。ゴールテープ直前で。ハリウッド映画全体が弱っているのかなと勘ぐってしまうほどだ。
 
外国新作:8
外国旧劇:4
12本
日本新作:11
日本旧作:1
12本
海外ソフト:0
日本ソフト:0
0本
合計:24本