TはTOKYOのTのブログ

映画ログを中心にしております。映画館での鑑賞が中心です。旧作より新作が過半数を超えるのが方針としてます。

2023年5月鑑賞映画


劇場霊
配信
自転車旅の間のラブホテルで鑑賞。やっぱり、決定的に良い場面は少なくない。映画内演劇という渋さも好ましい。中田秀夫はこの映画のなかでも警察の内トラをやっている。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーVOLUME3
TOHOシネマズ川崎
一応すべてのシリーズ作品を観ているけれど、前作の主人公のルーツを探す旅っぷりにダレてしまったがポップなノリを取り戻して面白い。

泥の河
横浜キネマ倶楽部
最近教えてもらった上映会で500人のホールに対して、半分ぐらいは来ていたので250人ぐらいは埋まっていた。名作として名高いが、こんなに渋い地味な映画とは知らなかった。地味だけれどとてもいい。船で売春をしているのは「鵞鳥湖の夜」でもあったが、人類の原則なのか。田村高廣の存在感が素晴らしい。敗戦後に人生のモチベーションが下がってしまった人物像は「少年」「しとやかな獣」などでも描かれていた。


聖地には蜘蛛が巣を張る
kino cinemaみなとみらい
「ボーダー 二つの世界」でイラン出身のアリ・アッパシはあんまり自身アイデンティティにこだわらない作品を北欧で撮っていくのかと思いきや、力をつけてしっかり自らのアイデンティティーに向き合う作品を撮った。近年の社会派ジャンル映画トレンドにも良い感じに合う。逃がしてやるからなと言っておくのは、苦痛を与えないようにするということかな。


ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい横浜シネマリン
金子由里奈監督の作品は初めて。「21世紀の女の子」出身で、前作として「眠る虫」という作品もあるらしい。アート系の方と話した時に名前が出てきたのを覚えている。そして、金子修介監督のご息女とのこと。なんとなくの印象ですが、金子修介のご息女と言ってもそこまで重たい印象がしないのが良い。ソフィア・コッポラとかは、父親の事が変に重荷になってそうだし、それを自分でも応えてしまっているような気もする。因みに金子一族では金子修介の父親の金子徳好の「ゼッケン8年」という本がめちゃ面白い。この本を読みたくて電子書籍を導入した。内容も紹介したいが、ここでは割愛。いつかこのブログに書こうと思います。

冒頭の七森が部屋でぬいぐるみを置いて、外に出るまでをワンカットで見せるところや七森が高校時代に告白されたところで橋の上には幼児がウジャウジャ居るのからして、映画的な仕掛けがあって面白い。若い監督の商業デビューなので、撮影がベテランかと思ったら、平見優子さんという、金子由里奈監督と前作から組んでいる方とのよう。他には私が観た映画ですと「kay」でも撮影をしている。七森を演じるのは細田佳央太で、彼の上品な雰囲気は「子供はわかってあげない」などでも楽しんだ。また、麦戸を演じるのは駒井蓮「いとみち」での好演が記憶に新しい。どちらの役者もソフトで爽やかな印象なので、この二人がぬいぐるみと喋るのも可愛く観れる。この映画を知ってから期待していたのは、映画における独り言問題で、映画のなかで脚本の都合として独り言が出てくるとそれだけで違和を感じるがぬいぐるみなら、(映像としての)違和感はない。それと、どうしても出演者が少なく、ガラガラの画作りになってしまうので、ぬいぐるみが居るだけで画面が楽しくなりそうだと期待していた。この観る前の期待には応えてくれた。私のお気に入りは窓から観て左側の一番下の女の子の赤ちゃん風?ぬいぐるみです。そもそも、街中でもたまにぬいぐるみを抱えている成人がいるけれど、見掛けると楽しくなる。一番面白かったのは、リュックサックを前に抱えてチャックからクマのぬいぐるみが顔を出している方だった。とはいえ私は、部屋が汚いということもありぬいぐるみを持っていない。レイアウトセンスがないため、フィギアなども持っていない。繊細な2人の主人公ともう一人白城という女性も出てくる。この人は新谷ゆづみで「やがて海へと届く」にも出演していた。この人物はぬいぐるみと喋らず、文化祭実行委員会にも参加している。このぬいぐるみサークルを客観視している。このキャラクターが最後にモノローグで「私はぬいぐるみと喋らない」と締めるのだが、そのビターというかドライな終わり方が良い。七森の加害者性に苦しむとして女性が足早に自らを抜いていくシーンがあるが、それに傷つくこと自体が逆ギレ的で緊張感がある。私は、全くもって気にしない。まどろっこしい言い方をすると、加害的な可能性の立場に置かれること自体は確かなのだから、それを受け入れるのが自らの存在への責任の取り方なのではないか、と思う。また、白城に対して女性の扱いが軽い環境で鍛えようとすること自体を説教するシーンもあるが、その責任のない説教の有害さをもっと自覚してほしい。七森はたまに見掛ける「女性はフェミニストじゃなきゃ」と説教する男性になってしまうかもしれない。ぬいぐるみサークルの人もコミットメントはしないので、優しいというか自分がめんどくさがられたり、ウザいこと言いたくない自分を可愛がるだけの人にも見えてしまう。この映画の製作者はそれをうっすら描くが告発するというほどのことはしない。このバランスが面白い。ハッキリと若者のディスコミュニケーションを描いた「冬薔薇」とも少し繋がる。

 

 

スーパーマリオブラザーズ

109シネマズ川崎

CMじゃないシネマだ!というセリフはこの映画制作者の心情吐露だと思うが、わたしもそう思う。これを観てゲームみたいという人は、なんでもゲームみたいに思えてしまうのではないか。ラストの戦いとゲームオマージュにできただろうけど、しなかった。音楽のセンスが完全にガーディアンオブギャラクシー以降。センスというより丸被りもあった。ジャック・ブラックの暑苦しくて歌が上手いというのも、スクールオブロックを引き摺ってるようで面白い。なにもりピノキオかかわいい。LINEスタンプ買いたい。

 

Tar

TOHOシネマズ川崎

開始5分のインタビューのつまらない切り返しでつまらなくなる予感がした。インタビューをされているので偉い人間であることを示すのもつまらない。昨年見た「ハケンアニメ」でも対談を盛り上げに使っていて表現と本当には関係ないことを有り難がるのが下らない。つまらないのに、深いと思い込んでいるような映画かと予感した。的中した。音楽教育やクラシックの指示の出し方ってあんなに大仰なのか怪しい。カラヤンの鉛筆を有り難がり、コレクションマニアのベテラン副指揮者をバカにするのは、すべてブーメランと言うよりかは、男はそういった歴史の連なりに自身を捧げることができるが、ターはできないということか。或いは結婚嫌いをターが指摘するが、それこそ社会の目線に対して構わず生きていけるということか。それに比べて、ターが自らのことを父親と言うのは、ヘテロ社会の規範に合わせることで、防御線を張るようにも見える。オッサン化した女性(レズビアン)を描くのが力点かな。だとしたらあまり感心しない。どんなセクシャリティの人でも権威には弱いので、(レズビアンなのに権力の濫用をしている)というのに特に驚かない。レズビアンだとフェアな人間ということもあるわけがない。レズビアンの権力の濫用を複雑や難しいという評価をしている方が見受けられるが、全くもってそう思わない。「エゴイスト」でもLGBTQをストレート俳優が熱演するという評価のコードに乗ってしまうのは、しらける。なんでストレートの人がLGBTQを演じるとその枠で評価してしまうんだろう。熱演しなければ越えられない壁がそこにあるようにも思える。「エゴイスト」では、男が男を買うことを俎上に載せた、今作では、女が権力をちらつかせて女と寝た。どちらも面白い問題提起なのに、流れていってしまうのが、なんだか言ってみただけのように思う。アジアを舐めるな。モンハンを舐めるなとも言いたくなる。地獄の黙示録」を使うことでそりゃそもそも地獄の黙示録が嫌いな私が嫌いに決まっていると清々する気もする。アジアは落ちぶれた欧米人の2軍ではない。アジアはアジアで存在する。アジアに来る欧米人は正直な評価としてと自国でしくじった人が多いと聞いたことがある。モンハンやbunkamura など日本絡みもたまにある。神経質でいかにもなレズビアン像もどうだろう。物語エピソード型の彼女の音楽家に対する評価も下らない。ラストは「フォックス・キャッチャー」を意識したのか。褒められるのは、実家に行ったときに兄が知らねぇけどやらかしたんだろと、ドライだが的確に見透かしており、泣きの場面にしなかったことぐらいか。あの、ゼミのシーンのバッハ講釈もダサくて、寒気がした。別にバッハに興味がない音楽家なんていくらでもいるし、居ていいだろう。クラシックでは、そこでマウント取るのが普通なのか?例えば、バンドマンとかにビートルズ聞いてないとと言い出す老害なんて、どう考えてもダサい。映画でも然り。オストルンドフォロワーの挑発的な作品として評価をされたかったのかもしれない。権威付けの為のオマージュについては以前からダサいと思ってるので、

 

J005311

シネマリン横浜

ぴあでアワード受賞したらしい実力派。役者の河野宏紀が監督脚本主演。かなりな俺映画だけれど、ダルデンヌ兄弟タル・ベーラ門下生のような被写体に近い撮影での緊張感が評価されるのは理解できる。ある意味我慢強いとも言えるが希死欲求の社会的要因に触れないのが、いかにも若者っぽい。

 

MEMORYメモリー

チネチッタ川崎

リーアム・ニーソンの映画はどんなのでもまず見るようにしているが、普通過ぎるような気もする。前作のブラックライトと比較すると撮影が凡庸過ぎてあまり感動しない。

 

イメージズ

角川シネマ有楽町

ロバート・アルトマンはズームとボケを多様して、ボケでシーンを繋ぐの。よく使う。女性の欲望サイコスリラー。カッコいいシーンも多かった。

 

ロング・グッドバイ

角川シネマ有楽町

天パと面長が合うな。大泉洋の「探偵はバーにいる」シリーズはこの映画を意識してるのかな。私も天パだけれど、面長じゃないのでソフモヒにするしかない。酒がアカビーチやライ・ソーダと言っていたけれど、あまりピンと来ない。ライ・ソーダってバーボンハイボールのことかな。赤い細いネクタイをしたい。原作を高校生の時に読んだけど、もっと湿った印象のような気がする。リーアム・ニーソンの「探偵マーロウ」が近々公開されるから読み直したい。

 

雨に濡れた舗道

角川シネマ有楽町

あまりピンと来ないまま終わってしまった。喋らない人は「仮面ペルソナ」でも出てくるが、そもそ相手をする必要がないと思っているので、合わなかった。気を遣わせる人は好きじゃない。

 

せかいのおきく

ユーロスペース渋谷

阪本順治の近作はなるべく見るようにしているが、絶妙な軽さをだせるのがすごい。「どついたるねん」からの友人であるリトルモアの社長の孫家邦やKINO FILMSの木下直哉や今回の出資者でありずっと美術で組んできた原田満生など、一緒に活躍してきた友達が偉くなったりして、お旦になっているような印象がある。映画的勢いが良く、最後の広角レンズ使いなども開放感が気持ち良い。

 

ワイルド・スピード ファイヤーブースト

TOHOシネマズ川崎

祝祭感が気持ち良い。この後ちゃんとこのシリーズを観てみようと思わせてくれた。どれを観たかもよく覚えていないが、前作のジェットブレイクは観たことがあることが分かりました。

 

最後まで行く

TOHOシネマズ川崎

元を観たことがないが、気持ち良い。ちょっとラストの3段オチが長くて終わるのを待ってしまっていた。柄本明がすごい存在感なのは、もうみんなわかっている。強い人は強いということはもうわかっている。

 

EO イーオー

ヒューマントラストシネマ有楽町

影響元の「バルタザールどこへ行く」を楽しめなかったので不安でしたが、映像の迫力を見せつけたいというパワフルな感覚は楽しめた。イザベル・ユペールの出演シーンのつまらなさはなんだろう。どうでもいい存在として出てくるという認識でいいのか。偉そうだけれどイーオーとしてはどうでもいい。そんなこともこの世界にはある、というのを表現しているのか。愚鈍さの象徴としてのロバなのか。最近ロバは映画によく出るが、はっきりと人間はもっと愚鈍になるべきであるというメッセージを表現して欲しいがなかなか出てこない。

 

aftersun アフターサン

ヒューマントラストシネマ有楽町

今考えれば、私が小学生の時にアメリカ家族旅行をした時に父は準大手の会社を辞めたタイミングだった。父親がそんな決断をしていることを当時は知らなかった。そんなことを思い出してしまう。31歳で娘が10歳なので、20歳頃で子供を持った父とはどんな存在だろう。何度も書いているかもしれませんが、私は父38歳、母34歳の時の子供なので自分の記憶としては最初から両親はおじさん、おばさんだった。私が落ち着いてしまっているのは、親の年齢が高いので発育環境として年寄りに囲まれていたことが影響していると自己分析している。どこかフラジャイルな印象の父の背中を観ながらも、楽しいトルコ旅行を過ごす10歳の娘。29歳独り身の私としては、子供を持つなんて楽しそうと思ってしまうが、それは単に経験したことないからお気楽に考えてしまうのか。なぜ、父は死んでしまったのか。はっきりとは表現されないがセクシャリティに悩んでいたのかもしれない。「J005311」でも理由を描かないが、その上品さが今のトレンドなのかもしれない。

 

海外
新作8本
旧作3本
計11本
日本
新作4本
旧作1本

ソフト1本

計6本

合計17本