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映画ログを中心にしております。映画館での鑑賞が中心です。旧作より新作が過半数を超えるのが方針としてます。

劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCEを観たらテロを描いていて驚いた

 まず、私の年齢をはっきりさせた方がいいと思うので書きますが私は今年29歳でPSYCHO-PASSは勘で書くけれど、私が高校生か大学生の時にテレビアニメの放送していたかと思う。テレビアニメに対するアンテナは当時も低かったと思うが、アクション映画で引っ掛かって認知はしていた。けれど、犯罪予知というのが、マイノリティ・リポートみたいだと思ったぐらいだった。そのままなんとなく観ることなく年を重ねて今に至る。

 そもそも普段のアニメとの接し方としては、映画は観るけれど、テレビアニメは観ておらず、アニメ映画は観るけれど、普段はテレビアニメからの連続としての劇場版は観ていない。けれど、スパイダーマンアクロス・ザ・スパイダーバースを鑑賞して日本のアニメも観たくなり、PSYCHO-PASSの劇場版をシネコンで上映していることに気付いて鑑賞。

 ストーリーとしては、主人公の公安省の常守朱花澤香菜)が閣議のシビュラシステム(という犯罪係数を図り、犯罪を未然に防ぐシステム)が発達したため、法律(正しくは刑法?)は不要とする議論に参加する。出席予定だった経済学者は外務省管轄組織のピースブレイカーが暴走して、殺害する。ピースブレイカーの調査に乗り出すが、組織の陰謀に巻き込まれる。
 私としては昔は海外拠点が暴走するという「地獄の黙示録」みたいなことって管理としてありうるのかと思っていたが、会社員をしていると似たようなことを見掛けることが確かにある。

 常守としては、シビュラシステムのみでの運用は危険なため、法律は必要であるという立場だが、閣議では押し込まれてしまい、映画後半ではすべての法律を廃案とする審議が進んで行く。本作のピースブレイカー壊滅で評価された常守は、公安省から厚生省へ鞍替えを促される。就任式で常守は 公安局局長を撃ち殺すが、常守はシビュラシステムとしては規定数値内のため、シビュラシステムも不完全であることをパフォーマティブに提示する。映画としては常守は収監されて終わる。

 この映画自体のなかで常守の銃撃シーンはあっさり描かれる。それだけに、この映画のなかで明確に常守の主観には迫らないが、迫るとあまりに明確にテロを肯定してしまう為、避けたのかと裏読みしてしまう。

 この映画自体がテレビアニメの間を描いているので、このテロシーンもPSYCHO-PASSを通して観ている人からすれば、後で覆されたり相対化されたりするのかもしれませんが、「間違っているけれど、これしかない」というタイプのテロではなく、統治としての問題点を見せつけるために実演したテロとしてかなり特異に見える。

 この作品に限らず最近の日本の映画を観ていると、アニメの方がテロリズムから逃げずに描く態度が見受けられる。具体的作品として比較して考えると「閃光のハサウェイ」「真夜中乙女戦争」「REVOLUTION+1」、更に「劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE」この4作品だが、別記事で書いてみたい。