TはTOKYOのTのブログ

映画ログを中心にしております。映画館での鑑賞が中心です。旧作より新作が過半数を超えるのが方針としてます。

2023年7月鑑賞映画

カードカウンター
シネマート新宿
シネマヴェーラ吉田喜重を観るつもりが、時間がわずかに間に合わず、予定変更。「カジノで初心者がするのに一番適しているはルーレットだ。勝てば2倍に去り、負ければ手持ちがなくなり去れる。」というナレーションがカークから話を持ち掛けられて、行動する合間に挿入されるのが良い。


ハードコアの夜
配信
無情の世界
シネマカリテ新宿
正直言って別監督短編オムニバスって古今東西だいたいつまらないと思っているがこの作品もその認識を変えてくれない。唐田えりか主演の「真夜中のキッス」という作品に出てくる新名基浩の雰囲気が面白い。実際の年齢は40歳らしいが大学生にも見える年齢不詳感が面白い。「イミテーション・ヤクザ」という作品がエンタメ的には一番ウェルメイドな印象を受ける。「あなたと私の二人だけの世界」という作品はアイデアに対して尺が長すぎるように感じてしまった。内田慈が恋愛セミナーの講師役なのが面白い。この作品で内田慈の近作を調べたら、「あの子の夢を水に流して」という熊本豪雨を描いた映画に主演で出られていたとのこと。情報抜けしてしまった。満員だったけれど、どうやって観客を呼んでいるのかが不明だ。私が勝手に考えた計算式だが、一般的長編映画と比較して、スタッフ役者どちらも単純計算で3倍なので関係者の友達も3倍なのである程度の利益を見込めるのかもしれない。

ペトラ・フォン・カントの苦い涙
新宿武蔵野館
「苦い涙」はまだ見ていないが、たまたま飲み会までの時間を逆算したらこの映画が浮かび上がってきたので、苦手なファスビンダーに再挑戦。うーんやっぱりこの演技っぽい時間の流れ方が嫌だなと思っていたら、これ戯曲が元なのか。2つのシーンを1時間ずつで描く。恋愛に見えるものもすべて自らの損得に過ぎないのかもしれないというシニカルさが立っている。ついこないだ観た「Tar」ももしかしたらこの映画を下敷きにしているかもしれない。自殺した監督の映画で主演が「死にたい」と言っているのはキツい。この自殺に対する態度は前にファスビンダーを観た時も気になった。後から見る観客はどうしたってその事実が気になる。

老人Z
目黒シネマ
昔、Amazonでタイトルを発見して気になっていたが、上映を見掛けて鑑賞。介護が今後の日本の問題になるのではという予感を捉えたのが素晴らしい。ただ、このテーマで介護用ロボットが暴れ出したらどうなるか?という楽観的な捌き方をできるだけの余裕が当時あったということか。昨年の「PLAN75」も似た終末期医療についての映画だが、この軽さはなかなか出せない。生まれて間もない人間と人生を80年ほど過ごしてきた人間では、後者には選挙権があるが前者には選挙権がない。これがいつまで経っても高齢者優遇社会を再生産しているが、最後の人口ボリューム層の団塊ジュニアが死ぬまでこの高齢者優遇社会は恐らく続く。そもそも10年後生きているかも分からない人間に選挙権が1票分必要であるかという問いは立てられる。

MEMORIES

目黒シネマ

オムニバスアニメ。どれも楽しい。


0線の女狼群
国立映画アーカイブ
東宝作品。レイプリベンジ映画だけれど、撮り方がいちいち良い。会話を畳でしていると、話のレベルが変わったときに一気に高さを付けた撮り方をするのがカッコいい。高さのアクセントが全体としてとても良く、大学生のケンカシーンでも高さが効果的に使われていた。内容自体はC級だけれど、C級な良さがある。


煉獄エロイカ

シネマヴェーラ

天井スレスレは新宿やくざで見た。ロブグリエ、革命、レズビアン、ショットの独特さはどこからくるのだろう?鏡と角度。斜め、堀で暴行

日本脱出
シネマヴェーラ
ノワール傑作。オリジナル脚本だが、軽さと重さのバランスもとてもよい。溶接の炎がカッコいい。女優もかわいい。

情炎
ビールを飲む時に違う銘柄2本を同じグラスに一気に注いでたのが気になった。石を削っている男が妙に芝居掛かった喋り方たが、それがかえって合っている。母子愛人ジャンル映画だった。荒野で、右から左に進んでいるがトラックにひかれるシーンが面白い。また、会話をリップシンクさせないのも文学的な味がある。女愛人との会話での音声は1倍速だが、カットして違う位置(服を観ながら)なのも面白い。ラスト30分ぐらいからのホテルでのドロドロした会話が妙に心地良い。

トラック野郎度胸一番星
神保町シアター
佐渡を舞台にしたトラック野郎。このシリーズは初めてですが、この映画の系譜にVシネのデコトラシリーズなどもあるのだろう。観光映画としての緩い展開がキツかったが、映画としては面白い演出も多い。愛川欽也をスクリーンで観るのは初めて。片平なぎさの涼しさが気持ちいい。トラック仲間のデブ、ヒゲ、サングラスの人がやけに目を引く。

傷だらけの天使(1997)
神保町シアター
阪本順治の映画は上映されたものは全て見るぞという気持ちなのでこの映画も見た。撮影が笠松則通なので間違いなく良いと思ったが、脚本としてはどう見れば良いのだろう。子供連れているのは、オリジナルファンはどうか。冒頭の車の故障から歩いてるトヨエツを撮る時、カメラがフラフラしているのが不思議な撮り方だ。原田知世が良い。続編があるらしい。トヨエツがモーフィアスみたいな鼻に止めるタイプのサングラスをしている。マトリックスよりこっちの方が早い。

眠る虫
ポレポレ東中野
再上映。金子由里奈作品は「ぬいぐるみと喋る人は優しい」で初めて観ましたが、その映像リズムの面白さで、前作も観てみたいと思い鑑賞。「有りがとさん」や「昇天峠」、「ユリイカ」「ことの次第」のようなバス映画かと思うと、意外な方向に進んでいく。なにより、冒頭のタイトルまでがカッコいい。1軒の家にたどり着く。そこから、死んだはずの他人の老夫婦とその孫とちょっとした交流をする。コメディセンスが秀逸で、じいさんが横たわりティッシュを顔を敷いて死んでるかと思わせておいてティッシュを高く吹き出す。階段から落ちたかと思わせておいて、動き出す。この監督が不条理コメディなどを撮っても面白そう。「ぬいぐるみ~」は生真面目なテーマなのでそういう人かと思っていたが、ユーモアが優れている。犬のライト首輪もなんだか映像的に面白い。バス停で子供が5人ぐらい出てくるが、ここは「ぬいぐるみ~」とも共通している。バスの中でスローシネマ的な固定ショットがあるが、視点を全体に散らすような演出も飽きさせない。高間賢二がクレジットにでていたが本当に撮影はしていないのか。かなり豪華なキャスト。人脈として繋がりのあるのかな。考えてみれば、父の金子修介監督は高間賢二と何回か組んでいるからそこで繋がりがあるのかもしれない。自分で録った環境音を自分の家で聞いているというのは、同世代の「裸足で鳴らしてみせろ」とシンクロしている。音楽もよかったのでリンク付きのシールを購入した。


死の棘
国立映画アーカイブ
小栗康平の映画は二作目だが、「泥の河」より更に地味。夫婦というか子供もいるが松坂慶子岸部一徳の夫婦。岸部一徳が浮気をしており松坂慶子がそのことで病んでしまっている。前に見たずっとイビキをかいて寝ている人が居たが、終演後に「ずっと寝てるなら、こんなとこ来るな」と怒鳴られていた。その人は不貞腐れて黙っていた。


バイオハザードデスアイランド
チネチッタ川崎
バイオハザード ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ」が良かったので鑑賞。位置関係やさっきは別の部屋にいたはずの人が急に居たりするのがあまり感心しない。「~ラクーンシティ」の方が豪快な面白さがあったのにと思ってしまう。パチンコ版もあるみたい。

交換ウソ日記
チネチッタ川崎
音楽使いがうまい。前に見た「」キラキラ映画では、遊園地がやっぱ定番なのね。マキシマム ザ ホルモンイースタンユース、miwaなどの使い方が嫌みがなくて心地良い。マキシマム ザ ホルモンって自分が高校生ぐらいの時からもう人気だったけど、今でも映画の中で使われるぐらいフェイマスなのか。「500日のサマー」でスミス仲間で近づくという展開があったが、この作品の方が変な嫌みがないのが良い。

砂糖菓子が壊れるとき
国立映画アーカイブ
今井正若尾文子橋田壽賀子曽野綾子と来ればかなりビッグネームばかりだが、映画仲間に聞くとあんまり評判が良くないからパスとのこと。女優映画として、悲劇なのだが要するに「エルヴィス」みたいな映画ではある。津川雅彦のサングラスがカッコいい。

モーリーズ・ゲーム
配信
ドライな撮り方がかっこいい。

オーシャンズ11
配信
すっきりしたジャンル映画で気持ち良い。

ランナー・ランナー
配信

まぁこんなもんかなな映画。


惜春鳥
国立映画アーカイブ
津川雅彦を2日連続で観る。傑作。映画史的には、日本で初めてのゲイ映画とのことですが、なるほどと頷ける。群像劇ってこんなに魅力的なのかと改めて思う。佐田けいじ津川雅彦

殺人カメラ
シネマヴェーラ
デスノートや藁人形を思い出した。冒頭10分のカメラ屋が出てくるまでアテレコが気になってセリフが頭に入ってこなかった。

子供たちは見ている
シネマヴェーラ
デシーカは名作っぽい佇まいだし、実際に名作なので語られることはあまり多くない印象だけれど、確かに良い。あまりに優等生的な演出なのも映画マニアからの言及率が低いことの要因のような気もするけれど、確かに良い。前述のとおりこの手の不倫映画は最近やけに見ていて楽しいが、この映画はしんどすぎる。

ファーゴ
目黒シネマ
いずれもBD上映だがありがたい。近過去の名作を上映してくれる機会は意外と少ない。コーエン兄弟のユーモアはたっぷりだが、どこか理論的支柱があるので対象に溺れないシニカルさが気持ち良いような気がする。面構えがどこ取っても良い。フランシス・マクドーマンド、ハーヴ・プレスネル(義理父)、ウィリアム・H・メーシーそれは観る前から知っていたが、デリヘル嬢役の(IMDB情報で読んだが)Melissa Peterman、Larissa Kokernotの顔も素晴らしい。参考画像以下
Who is Larissa Kokernot dating? Larissa Kokernot boyfriend, husband
どれも良いがフランシス・マクドーマンドの夫の画家のJohn Carroll Lynchも良い。あまり知名度はなくてもちゃんと実力者というか、この顔すごいだろと製作者が自信を持っているのが良い。

ノー・カントリー
目黒シネマ
この映画も役者の面が良い。トミリーやバルデㇺ、ジョシュ・ブローリン、ウッディなどの主演が良いのは当然だけれど、Kathy Lamkinというトレイラー事務所の方も素晴らしい。
Kathy Lamkin - Texas Chainsaw Massacre Actress Has Passed Away


シリアスマン
配信
ユダヤ人コミュニティを自伝っぽく描く。スピルバーグの「フェイブルマンズ」も自らがユダヤ人であることを描いていたが、こっちの方がそこが濃厚だった。


ビッグ・リボウスキ
目黒シネマ
昔DVDで観た時もはまらなかったが、今回もあまりはまらなかった。目指したところとしては、更に崩れてよれてる「ロング・グッドバイ」なのかもしれない。ジョン・グッドマンの体型とサングラスが面白い。主演のジェフ・ブリッジスを楽しめないのがなんだかはまり切れない要因かな。

バートンフィンク

目黒シネマ

俳優がどこ取ってもやはりいい。


ルール・オブ・デス カジノの死角
輸入DVD
リージョン2。pal方式。原題はCROUPIER。「カードカウンター」で賭博映画を掘りたい気分になり、観てますがロンドンが舞台だからか普通に1日の営業が終わる。アメリカではカジノは24時間営業するので比較したくなる。このクルーピエがかっこいいが、ちょっと古臭い展開も気になる。

カジノ
配信
ギャンブル映画をまとめで鑑賞。後半の夫婦の不和を描くのがなんだか退屈に見えてしまう。照明を一箇所に当てるのが特徴的。愛されない悲しい男としてのデニーロがなんだか悲しい。映像流しながら交互にナレーションするのは、まとめ臭くて映画原理主義的には嫌われるけれど、シャープな印象にはなる。

ラウンダーズ
配信


君たちはどう生きるか
TOHOシネマズ川崎
自伝的な映画かなと思いきや、なぜかラスト20分で世俗的なまとめかたで軽くなるのがとても気持ちいい。うるさがたはそこに厳しく言うのもわかるが、軽くいなすような態度が気持ち良い。アオサギが大叔父さんなのかと思ってましたが、どうやら違うらしい。母親姉妹についての考え方がどこで変わるのかも曖昧。それも都合よく考えれば、なんとなくで解決してしまうことは人生に確かにある。

ミッション・イン・ポッシブル デッドレコニングPART1
川崎109シネマ
このシリーズは好きなはずなのに、妙に退屈に感じてまった。字幕で「それ」を乱発するので、どうでもよく思ってしまいました。時間がとにかくダルくて時計を気にしながらの鑑賞でした。新作を最近後回しにしているが、久しぶりに見たのがこんな作品だと新作から遠ざかりかねない。

薔薇の葬列
目黒シネマ
目薬、淀ちょう、親子


修羅
目黒シネマ
何度も同じシーンを繰り返す。照明のこだわりかた、スローモーション、対面切り返しを横移動のカメラの動きでみせる。ベスト級に良いかも。美人局にぶちギレる侍というみっともなさもなんだか可愛い。

 

智恵子抄(1967)
神保町シアター
中村登特集ここ3年ぐらいまとめて観たいと思っていたが、やっとやってくれた。全部観たい。岩下志麻の妻が芸術や親の死などて精神病に掛かってしまう。岩下志麻が精神病に掛かるのは珍しくないが、ちょうどこの前に観た「死の棘」よりしっかりドラマっぽい。色使いのゆたか

春を待つ人々
神保町シアター
中村登の映画は芸術家が多い。佐田啓二の関西弁が心地よい。撮影が小津安二郎の印象の強い厚田雄春伊藤雄之助が画家仲間として出てくるのが面白い。愛人妾問題が浮き上がってくるが、そこをキレイに往なしていくストーリーがキレイだが、キレイすぎやしないか。

鏡の中の裸像
神保町シアター
和子を演じる桑野みゆきがだいぶ可愛い。美容師の女性3人の人生の分岐を見つめる。チンピラ役の田中邦衛のボーダーのシャツがとにかくカッコいい。下宿先の青年から見ると都合の良い手のひら返しに苛立つが、人間の本性なんて本当にトラブルが起きないと分からないというのも世の真理。川津祐介演じるヒモ男もしょうもない。神山繁のハゲた臑齧りの息子も憎くて良い。ハゲてる癖に自活できてないっていうのが笑えてくる。また、山本圭が足の悪く少し世を斜に見ると青年をここでも演じている。

爽春
神保町シアター
岩下志麻が嫁に行かず、父親と二人暮らしだが、実をいうとロンドン駐在に際して別れた元彼と不倫関係にある。友達の女子大生のバイト先工面をしてあげる。その女子高生とは家族ぐるみの付き合いがある。ラストの方では父親同士が喧嘩をしてしまうが、そこでたまたま、家庭的スワッピングをして仲直りをする。森光子が良い。あんな不倫関係を解消させるには、娘にそれなりに遊ぶような環境になってもらうしかなく、それを考えるとバーで仕事をするのはソリューションとしてありに思えてくる。帰りにトイレでおじさんが、「長崎旅行にサラリーマンがつきまとうところで(ストーリーが)崩壊した」と言っていましたが、彼はアフリカ出張から帰ってきて長期休暇を取るように会社から言われていたので、一応は筋が通っているが、そう思ったのなら一観客の評価とさせていただきます。更に「そんなんだから他の劇場で掛かってるのを観たことない」との評価でした。

スサーナ
シネマヴェーラ
ルイス・ブニュエルも同じく8月の要チェック特集。あの女は悪魔である。あの女が去れば万事解決である、という映画のストーリー幼稚過ぎる気もするが、ホームインヴェイジョン映画として面白い。尺も85分と短いのも良い。終盤のムチで母親がスサーナをひっぱたく時の顔が素晴らしい。

南海の白影

あまり楽しめなかった。実際にポリネシアでロケをしたというのが、映画史的には注目点らしい。しかし、セリフに寄り過ぎているように感じてしまった。音楽が鳴りっぱなしなのはサイレントでよくあるがなんだか眠くなる。

 

グラン・カジノ
油田の町のカジノを舞台にした失踪を追う作品だが、歌が良い。最後に急に石油会社が黒幕だったとわかる。娯楽作として気持良い。


黄金時代

主人公がwilem defoeに似ているのがずっと気になってしまった。宗教に対しての批評性みたいなところがあまり良く理解できなかったがアッパーなノリはなんだか楽しい。

 

海外

新作2本
旧作11本

配信ソフト9本

計22本

 

日本
新作3本

旧作19本

計21本
合計43本