TはTOKYOのTのブログ

映画ログを中心にしております。映画館での鑑賞が中心です。旧作より新作が過半数を超えるのが方針としてます。

三姉妹/イ・スンウォン

私の母さん、悲惨な人生を送ってガンで死ぬのよ。
 
海街diary型の映画、なんならリメイクみたいなニュアンスもあるのかなと思ってみたら、もうちょい年齢が上で40代の姉妹。長女は、夫の借金のために家族に金を借りてそこで次女と溝が深いらしい。営んでいる花屋で金せびるおっさんが夫かな?娘はスカムフォークシンガーみたいなのに入れ込んでいる。さらにはマヨラーで母親がガンを告白したら、水引っ掻けるような娘だ。こういう娘はどうしたら良いだろう。もっと幼いときに厳しく躾をしなければならないのか。長女は自罰的でいつも謝っている、さらにはガンを患っている。
 
次女は教会のコーラス隊の指揮をしているらしく、敬虔なキリスト教信者。カトリックかな。韓国のキリスト教事情は隣国として気になるのだが、あんまり映画でそこに切り込む作品はないのでこれは面白い。集団で泣くまで虐めて懺悔をするのは、私には馴染めない。浄土真宗ぐらい敷居を低くしてもらわないと娑婆の大衆としてはついて行けない。旦那がコーラス隊の生徒にカマかけて肉体関係に及んでいるのがわかるが、浮気というより関係性を背景にした強要らしい。前半を見ているとやっぱり年相応に落ち着いた映画かなと思っていると、その夫と関係がある生徒に布団を顔まで被らせて、足で踏んづけるなんて、よくこんな暴力描写思いつくな。しっかりしているからこそなんだろうけれど、子供や姉妹に対して抑圧的で自らにも厳しい。監督のイ・スンウォンと二女のキム・ソニョンは実人生で夫婦らしい。
 
三女は劇団で脚本を書いていて金髪でわがまま。そ長女もバカにしながらも可愛がっている。確かに近くにいたら可愛がってしまいたくなる愛嬌はある。父親的な関係性のバツイチの夫が甘やかしてしまっている。夫の連れ子がいるが母親としての自覚に欠けると自他共に認めて、コントロールができない。
 
柔らく家族の関係性を描いた映画かと思ったらハードな描写が多い。父親がまだ生きているからこそ、責任を取らせなければならないため、激しくなるのなか。
 
映画ファンっぽいおばあさんが観客全体に対してエンドロールが終わって明るくなり席を立っている時に「どうだ!すごいだろう」と誇らしげな表情をしているのが面白かった。