TはTOKYOのTのブログ

映画ログを中心にしております。映画館での鑑賞が中心です。旧作より新作が過半数を超えるのが方針としてます。

文学フリマ東京35報告 前半

文学フリマ東京35に行ってきた。東京流通センターは私の住まいから近いので、開催を気がついたら行っている。気がつかなければ行かない。
文学の王道である小説を恥ずかしながらあまり読まないので、ディグするのはやはり映画関連だ。
この日は前日の映画鑑賞疲れが響き、起床が遅く、12時頃に起床し15時半頃に到着した。
今回購入したものを紹介します。


「移住と実存」
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全く知らない結社なのだが、編集者メンバーのならびには教育やNPO関係・大学関係の履歴が並んでいる。話を聞いてみると島根県鹿足群津和野町に移住した経験があるという話をしてくれた。なんだか、気になり購入した。関連としてNPO法人bootopiaという組織があるようです。地域コミュニティ関連って、文学フリマ的には珍しいのも気になった。試しに文学フリマで郷土カテゴリーを見てみるとあまり多くない。これに気付けたのは、大きいかもしれない。図書館や役所の文学関連だと、まず郷土研究系が取り上げられているが、文学フリマでは郷土研究はあまり大きい取り扱いではない。このズレというか相違点は特徴的かもしれない。


「21世紀の韓国アニメ」
かに温泉
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韓流ブームというか、ブームどころではなくしっかり定着している印象もある。映画、文学、旅など色んなタイプの商業誌でも韓国特集は珍しくない。なのに、韓国アニメは私の知る中で、ほとんど紹介されていない。一応、去年上映された「整形水」ぐらいしか観たことない。かに温泉さんにどうやって調査するかや、韓国にネットワークの有無などを質問してみたら、韓国アニメについて書いているうちに韓国から反応があって広がっているとのこと。本作ですでに韓国アニメについて5作目とのこと。いかにはてなブログがあるので、張っておくが、こちらでは宗教団体製作アニメについてまとめていてこれも凄すぎる。

 

「THE ROUGH GUIDE TO BOTR」
にんず
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ヴェイパーウェイブについては、2012年ぐらいの時にtwitter経由でハイファイウーピーやキープ・クール・フールのブログで知り聞いていた。ファクトチェックとして、ググってでてきたTOKYO DJ部の以下の記事でもしっかり上記の二つのブログの名前が出てきていた。

 

そして、時が経ち2018年にずばり、vaperwaveという曲を田我流が発表した。当時、今か?と思ったのは覚えている。

その後、音楽というよりビジュアルアートやファッションや現代思想で注目されて、ユリイカの2019年12月号などで取り上げられた。加速主義や消費社会と紐づけて語るトレンドはこのあたりで決定づけられた気もする。この時差の間に、2012年頃のvaperwaveを聞いた世代が会社組織の中で影響力を持ち企画を通すだけの政治的手腕を身に着けたという認識でいいか。若者で盛り上がってそれを年長だったり資本が刈り取るのは、別に珍しくはないだろうけれど、妙に時間差があるのがこのvaperwaveの特徴なのかな。それでもelekingなどはもっと早いうちに取り上げていたか。saint pepsi a.k.a. skylar spenceやvektroidなどはちゃんとスターとして注目された。これと同時にフューチャーファンク、saapunk、シティポップ、歌謡曲などがぐちゃっとまとめて注目されている。確かに日本のニューミュージックが元ネタだったりするvaperwaveもあるため、集合として認めるのもあながち間違ってもいないのがややこしい。
ちょっと脱線して書いておくと日本でシティポップを決定付けた印象が強いのはDJ Notoyaで、the roomやorgan barなどオーセンティックな雰囲気のあるクラブ周辺だったと思う。jazzy sportsやDJ MURO が出るイベントが近日開催フライヤーとして張られているイメージ。全体の色としてはファンシーピカピカよりかは黒とか茶や緑の渋めな印象だった。フロアの雰囲気の美意識としても若いよりも老いを見据えるような態度だったように思う。脱線終了。
そんなvaperwaveの重要作を次々に出してレーベル?がbeer on the rugでこのあたりは当時twitterか上記のブログ二つで知ったのかな。今だとあまり思い出せない。でももうそんな心配はご無用。このthe rough guide to botrがあれば記録に残せる。この本を作るモチベーションとして、どうしてもインターネットの作品だと後々掘り出すのが難しいので作ったとおっしゃられていた。

 

「ポップミュージックガイド 00年代スタンダード編」
にんず
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こちらは上記のthe rough guide to botrと同じくにんずさんが作った00年代ディスクガイド。上の本ももちろん気力が素晴らしいが、こちらはもっと広く音楽全般。にんずさんの#聴いてというコメントもついていてアクセントが面白い。200枚紹介されていて胆力が素晴らしい。にんずさんのブログを張っておきます。

 

ON-GROUND CINEMA
summer sail books
林亜華音(文・イラスト)
山本大樹(文案協力)
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映画を観に行く人々を描いたグラフィックノベル。。各話終わりにカット引用がついている。具体的には以下のエドワード・ヤンの「台北ストーリー」の一シーンですが、このシーンがさらっと引用されていたりする。読んでいてオッとなるのが楽しい。

 

一一日日: 《青梅竹馬》場景003-永漢大樓&美而廉大樓

 

HOME-GROUND CINEMA
summer sail books
林亜華音(文・イラスト)
山本大樹(文)
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街中などで手のひらサイズで映画鑑賞する方々のドキュメント。末尾にプレイリストとして映画が挙げられているのも楽しい。
上記どちらもサイトで販売しているのでリンクを張っておきます。



後半に続く